Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

夜の遊園地とクリスマスパレード

白亜のホテルは夜の闇の中に沈んでいる。
送迎のバスもあるが、何、遊園地は歩いてほんの少し先。
幸い一日のんびり過ごして足の痛みも無い。
どちらかというと、油断して軽装で夜の寒さの方が心配なくらい。
フリーパス券をぶら下げて入場すれば、昼間とは打って変わった人気の無さ。
夜のパレードまでには1時間半はある。まだまだみんな夕食中か。

  


中央ゲートまで来てみれば、ああ、昔車で来て夏の炎天下、
やっこらせとベビーカーを押しながら、このゲートを見上げて入場。
思い出が蘇る。本日はホテル側からの入場だったので、景色が違ったのだ。
せっかくの土産物屋も、大きなクリスマスツリーも何か寂しげ。
着ぐるみのキャラクターが一緒に写真を撮ってくれた。
久しぶりに見る遊園地の土産物、娘はもの欲しそうな顔もせず歩いている。

  


もう、すっかり大人になってしまったような風情で辺りを見回す。
私たちは思い出をまさぐりながらきょろきょろしているものの、
娘にとっては始めて来たも同然。夜の遊園地の思い出は、
小1のディズニーランドや、あれはいつだったかUSJの方が記憶に新しいはず。
どこまで歩いても人がいない。余計に寒さが身に沁みる園内。
暖かく輝くメリーゴーラウンドを見つけてほっとする。

  


危険な遊具は夜の運転なし。それ以外は普通に遊べる。
さすがにミニジェットコースターでも嫌な顔をした怖がりの娘。
ところが、乗ってみると意外に面白かったらしい。
探検もの、屋内の仕掛けの中をアップダウンする宇宙旅行
そんな乗り物の暗闇の中でのスピード感・幻想的な空間、錯視で揺れる感覚、
左右にカーブし、急発進・急停車の迫力。
あちらこちらで経験した幼い頃の遊園地の記憶と、ずいぶん差があったのだろう。

  

  


それもそのはず、もう5年生。身長だって150cmを越した。
はっきり言って体格的にも問題ない。
乗れない遊具なんて、制限なんて関係ない。
怖がらなくても大丈夫、いや、実際乗ってみたら怖いよりも楽しかった、
そんな風に感じられる年齢になっていたんだね、娘よ。
この何年かのうちに、ぐっと大きくなった君は、もう怖がりではないんだ。
スリルが楽しい、思春期の入り口にたっているお姉さんの年齢になったんだ。

  

  


幾つかの遊具を乗りまくった後、どこから沸いて出てきたのか、
結構小さい子供たちも交えて家族連れやカップル、老若男女、
ニューレオマワールドのクリスマス・ナイトパレードを見に集まって来た。
電飾も鮮やかな乗り物が次々に繰り出してくる。
ディズニーランドやUSJとは比べ物にならないけれど、これくらいの量と大きさが、
見易いと言っちゃ見易いし、正直疲れない。

  

  



こうやって寒さも忘れて明るい賑やかなパレードに見入っていると、
自分の中のおさなごころ、子供の心が戻ってくる。
こんな風にどきどきワクワクする気持ちが、この年になっても残っていたんだ、
そんな風に思えて、嬉しくなってくる。
そして、親子揃ってこんな泊りがけの遊園地や温泉なんて、
いつまでできるんだろう、そう思えると切なくなる。

  

  


盛り上げ上手なアナウンス、紙ふぶき、人工雪? 泡雪様のものが飛んでくる。
音楽、ダンス、道化、サンタの扮装、クリスマス仕様の乗り物やスタッフ、
飾り付けが凝らされた送迎バスに、家族連れが参加して乗り込み手を振っている。
一番最後に大きな海賊船を思わせる船がやって来た。
子供たちが我こそはと寄ってたかって後をついていく。
? 何だろう? 船の上からお姉さんが何かを投げている。
おひねりじゃああるまいし、子供の喜ぶキャンデーか何かかな?
それにしては、こちらまで弾んで飛んでくるとは・・・。

  

  


スーパーボールだ! 大小様々なスーパーボールがばら撒かれている。
道理で子供たちが争って後をついて行くわけだ。
なかなか人集め、子供集めの戦略に長けている。
通り一遍電飾のパレードを見たらあっという間にお客さんが散ってしまわないよう、
子供たちを引き止めておく作戦。保護者は子供が居る間残っているから、
大勢の人がパレードを見ているように演出できる、一石二鳥。

  


私も思わず釣られて投げられるスーパーボールを追っかけた。
これって意外と楽しいもんだ。宝探し感覚。
スーパーボールなんて最後に触ったの何時だったろう?
娘も保育園の頃は遊んでいたかもしれないが・・・。
よく見ると色も形も様々なので、見ているだけでも結構楽しい。
いやあ、戦利品ゲットって感じで満足してパレード最終尾を見送り、
スタッフと子供たち記念撮影。娘も恥ずかしそうにカメラに収まった。


宿に戻って戦利品を確認。娘と私と家人とでこれだけ拾い集めた。
もっともっと集めた子もいただろう。
何しろ娘は欲しいものの、小さい子達よりもプライドがあるので、
船の下で拾うことをせず、遠くに投げられたものを拾っているのがせいぜい、
積極的に集めに行くということがなかなかで傷にいたからだ。
お姉さんのプライドが邪魔をしていたものの、本当はもっと綺麗なものを、
大きいものを集めたかった様子。
良かった、まだまだ君にも子供の心が残っていたね。

  


さて、もう一戦卓球を。夜の家族卓球と大浴場、3つある露天風呂、
自分で選べる浴衣柄、3人で浴衣を着たのは実は四国にいた頃、
道後温泉に行った君が2歳の夏以来だ。覚えていないだろうなあ。
ホテルの浴衣はウサギ柄、親子でお揃い。君の干支だよ。
土曜日は格安ルームサービスがあるから試してみようか、
なんて言っていたけれど、結局こてっとみんなで寝てしまった。
大満足のニューレオマワールドホテルの夜。

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