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地デジが家にやって来た

生活の場でTVばかり見ているような、堕落した毎日だが、
老眼になってからは読書量がゼロに等しく、
(漫画・雑誌程度は目を通すが)
気合の入った本腰を入れた読書は思考能力の彼方。
TVの前に受け身に座って育った子供はバカになると、
科学的にも解明されているにも拘らず、帰宅すると
炬燵がTVの前にあるので、自然TVっ子の私。


但し、民放のCMに毒されたくないので、
せっかく受信料を払っているNHKとBSがお気に入り。
(民放のBSは再放送と通販番組ばかりで馬鹿馬鹿しいこと限りない)
そんな我が家の民放は、もとより映らないというか、
致命的な電波障害のため、映りが悪い。
BSのパラボラアンテナは生きているが、
田舎の都会、都会の田舎とも言える立地条件、
高速道路とマンションに囲まれた坪地はお馬鹿な民放を寄せ付けぬ。


それはそれで私は不自由をしていなかったのだが、
地デジ化推進の折、この電波障害は私たちに責任の無いこと、
かつて風致地区だったのを無視して、周辺の土地を切り売り、
電車や道路、高層マンション、下品なネーミングの店舗等、
無計画な再開発地域に周囲周辺を囲まれ埋められて、
あろうことか致命的な電波障害をこうむる羽目になった。


よって、一番の原因となる所が地デジを補償。
工事と相成った。代行業者の言い方は、
「ウチが請け負っているのは地デジだけですよ、
 BSの世話までしてませんから」凄い言われ方である。
ちなみに職場で若い子達に「BSって何?」と言われて、
ワンセグケータイ時代の新聞を読まない世代は、
BSも見ないのかと驚いたのは昨年の暮れだったが。

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テレビが言えない地デジの正体 (ベスト新書)

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というわけで、今夜から「画面が美しい」と言われている
デジタル画面を見ることができるようになったのだが、
生活としては特に大きな変化は無い。
民放と似たような画像障害が出ていたNHKの本放送が、
マシになって嬉しい気もする、その程度のことだ。
何でも、CM飛ばしができる録画機を売らないようになるらしい。


大企業の選択は国民を馬鹿にして購買力を煽ることにある。
CM重視で国民に機材の選択余地は残さない。
優れた技術の保持も望まない。
一億総白痴化」という言葉がかつて取り沙汰されたが、
今では差別用語が入っているからと、用いることは許されないのだろうか。


言葉が変わったとしても、事象は変わらない。
ゆとり教育しかり、本編よりも巨額が投じられたCM、
学校現場の予習復習練習よりも執拗に繰り返されるCM、
薄っぺらい中身を誤魔化すために繰り返し同じ場面を映す、
宣伝前と宣伝後の度重なる画面のうざったさ。
馬鹿馬鹿しいほどの小さな親切余計なお世話、
単位時間内当たりの情報量が少なくなるだけのせこい放映。


そもそも、CMを作るのは勝手だが、録画して見たいのは
CMではなくて本編なのに、それを飛ばす機能を持つ機材は廃止、
「そのまま録画」か「CM飛ばし」かは消費者に選択できるような、
そんな機能にすればいいものを。
(宣伝を見るのが好きな人間だっているのを知っている)
CMも文化の一つで、優れた内容のものもあるけれど、
概ね刷り込み専門のバカの一つ覚えのような繰り返しを、
インパクトと重ね合わせて働きかけてくるものが多い中、
世の中の役に立つような刷り込みを工夫する度量は無いものか。


利潤追求の企業は社会に還元する責任を強調するものの、
リアルタイムで見られなければ、保存用のビデオ、DVD
そこに映し出された古いCMがどれ程の価値を持つものなのか、
冷静に考えてみればいいものを。


我が家に地デジがやって来た。その喜びよりも何よりも、
CMだけが鮮明になり、内容の無い番組とBSの差異が無くなってしまった、
そのことの方が残念でならない。
まるでわが国と府の悪目立ちの政治・政策のよう。
ばら撒き、不便な場所、方法を強い、
新しさこそ良いものだと信じさせ、
庶民を目くらまし、猫だまし、翻弄し、
自分たちに都合の良いことしかしない。


TVを見なくても、ネットの方が面白い、
ネットの方が消費者に「選択の自由」が残されている、
そう感じている人も多いのではないか。
なんて、考えてしまう地デジが我が家にやって来た今日。

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