Festina Lente2

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小転子はどうなった?

何しろ、「首になるのが嫌だ」と出勤したものの、
本来ならばまだ自宅療養の時期である。無理はできないはずだ。
病院側は「大丈夫でしょう、待たれているうちが花ですよ」と
家人の背中を押したものの、具体的な療養生活について
患者とその家族に、何らかの目安をくれたわけでも何でもない。
リハビリについても具体的な指示もない。
通院できる状況でもないのだから、
居住地の近くに紹介状をくれるか何か、あるのでは?
そんなふうに考えてしまうのは患者再度の甘え?
「普通に生活しろ」の一点張りが、何を意味するのか図りかねる日々だ。


両松葉杖で1週間、外界に出て見て、
家人はとうとう赴任先の駅前の整形外科を訪ねたらしい。
珍しく家人から電話、セカンドオピニオンを得たらしく、
声が明るくほっとした。自分で納得出来る答えを得て、
気持ちがすっきりして何がしかの方向性を得て、
再度リハビリに励んでくれるのなら、これ幸い。


しかし、それにしても小転子はどこへ? 
私たちが不安に感じている大腿骨転子部骨折の際の、
もう一つ割れて本体から離れていた小転子部。
救急病院で見たレントゲンで医師に尋ねた際、「飛んでますね」。
「これも手術でくっつけるんですか」と尋ねれば、「何もしません」。
その場でそれ以上尋ねる余裕もなく、
大学病院のERを経て整形外科で言われた第一声は、
「骨折如きで大学病院に来られては困る」一連の説明の後、
「僕の専門は膝です」「何か他に質問は?」と矢継ぎ早に言われて、頭の中は空っぽ、何も具体的に質問できずに終わってしまった。


渡された副作用云々の注意事項の紙には、
後から見ると「デブリ云々」という記事。
スペースデブリ」という言葉を知っていても、
整形外科の出術における「デブリ」が何を意味するか、
その時に聞く余裕はむろん無かった。
(『テレプシコーラ』を読んでいたから、
繰り返される膝の手術が最初のミスで、
後の再建手術が上手くいかなかった経緯から、
何となく連想・想像できた範囲であったにしても)


とにかく今日訪れた単身赴任先の整形外科曰く、
この「飛んだ」と称される小転子部は剥離骨折同様、
まだ自力でくっつく途中にあるらしい。
これがうまくくっついてくれないと、後のリハビリにも影響するとか。
大学病院ではこのことに関しては何もなかった。
「いいリハビリは普通に生活することだ」としか言わない。

ザ・ベスト モーツァルトで心のリハビリを

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リハビリテーション評価データブック

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それで患者は納得できると思っているのだろうか。
どうやって筋力を鍛えたり、動かす範囲を広げたりしたらいいか
分からないでいるのに。どんな動作が危ないか、
どういう動作ならば積極的に行えばいいか、
具体的な指示も指針もなく普通に生活しろと言われる。
患者や家族の不安を煽るだけの指示事項。


「何か質問はないか」と医師は言う。
患者の側からすると、「何が分からないのか分からない」状態。
鼻先であしらわれる気分。
町医者はここまで馬鹿にして突き放しては来ない場合が多い。
もう少し説明や物の言い方が柔らかい。
(それでも大抵の場合、「日にち薬ですね」と
痛み止めと湿布しか出ない場合が殆どだ。
今まで掛かったことの有る整形では、
麻酔科がなければ痛み止めを注射して貰ったことなどない。)


飛んでいったバナナではないが、飛んで言った小転子部はどこへ?
どんなふうにくっつくというのだろうか、
亀裂骨折でも結構な時間がかかるのに。
片足を持ち上げられない苛立ち、足の長さが変わってしまい、
短くなるのではないかという不安。
杖を突いているうちに負担が掛かる方向に骨盤が歪んでしまうのではないか、
回復の目安は、リハビリのポイントは?
具体的に指示されず、「普通に生活しろ」一点張りの
医師の言葉が理解できない。


普通に生活できないから不安が募る当事者と家族のことなど、
「拡大解釈」や「自分で考える」ことが出来ない
不安の強い困った連中だと思っているのかもしれない。
家人が人づてに調べたら、
小転子剥離は予想される範囲内の障害範囲内であるらしい。
現在も続く歩行時の痛みに関してはかなり小股で歩くか、
ガニ股で歩けば腸腰筋を余り使わず、痛みがマシになるとも・・・。
小転子の位置がずれてしまうか、股関節がずれてるか。
最終的に骨盤からの足の長さ測って、3センチずれると後遺障害扱い。
最終的というのは、いわゆる症状固定で治療終了とされる、
その時期のこと?


具体的なことが分かって安心する反面、
何時までにどのような状態になれば、順調に治って来ているのか、
分からないまま過ごす「「小転子恋しや、ほうやれほ」の
大腿骨骨折患者の家族の月曜日の晩。

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