Festina Lente2

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野外活動はどこで?

娘の夏の予定が立てられない。
学校から貰ってきたプリントの予定から、キャンプの候補地が定まらない。
沢山習い事をさせているわけでも何でもないので、季節に応じたキャンプ、
せめて一人っ子の長期休暇に変化をと思って昨年まで来たけれど・・・。
規模の小さい場所よりも、更に変化を好むようになった娘が満足できそうな、
そういうキャンプが見つからない。内容・場所・期間とも予定が合わない。


昨年春夏行った場所は、昔の小学校を改築。
木の温もりのする場所ではあったようだが、娘は断言。
「2泊3日までなら面白いけれど、長期は無理。」
周囲の自然の規模と宿泊場所、メンバー確保に問題があるらしい。
当然大きくなったから、もっと冒険できるスリリングな、
単純な遊びではなくて複雑な試行錯誤の出来る、
体力的にもそれ相当で、知的好奇心をも刺激する、
そういうキャンプに憧れていることだろう。
低学年と同じ内容では、馬鹿馬鹿しくてやっていられないだろうから。

泊れる!遊べる!全国廃校ガイド83選

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けれども、様々な条件を満たす施設や、高学年以上を導いてくれるリーダー、
経験を積んだスタッフの確保はなかなかに難しい。
臨時ではなく専属でなければならないし、毎年同じ企画やメニューでは、
リピーターは集まらない。一回性限りのものになる。
そういう娘が、再度行きたいと思っていた能勢のキャンプ場は、
この春閉鎖されてしまった。かーちゃんが仕事の修羅場で余裕がなかった頃、
年度末年度初めの準備に忙殺されていて、気が回らなかった時期に。


費用の掛かる宿泊訓練、泊まりがけのキャンプは贅沢だと思う人も多い。
でも、普段贅沢さえしなければ、一人娘のために費用を出すのは難しくはない。
何しろ、娘も小学6年生ともなればお試し受験か否か、悩む所。
周囲との兼ね合いというのもあるのかもしれない。
習い事もこのまま同じものを続けていくことは出来ないだろうと、
小学校最高学年になった今、さすがに感じているようだ。


まあ、ピアノと水泳だけで十分だと思ってやってきた。
(かーちゃんが習って欲しかったのは、珠算とお習字)
今年はさすがに月に2回だけ、「お勉強」とやらを習っている。
授業参観や授業の内容を見ている限り、ゆとり教育が見直されたとはいえ、
その弊害や影響はまだまだ大きいと感じる。
私が普通の保護者よりも年かさのある、詰め込み世代だからかもしれないが。


だが、勉強も大切だが体力も大事。一人っ子だから、
どこでも友達が作れるように、少々の荒技でもこなせるように、
ガールスカウトにでも放り込んでみたかったのだが、それも叶わず。
かつてリーダーをしていたYMCAの野外活動にでも、と思いながらも叶わず。
公の費用の安い春夏秋冬キャンプに参加させて、なにがしかの経験だけは・・・と。

野外で変わる子どもたち―地球は彼らの学校だ

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干潟を考える 干潟を遊ぶ (大阪市立自然史博物館叢書)

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娘が初めて参加したキャンプ地は能勢、家族でも泊まった能勢。
私自身、子どもの頃行ったことがある能勢。
その能勢にあった青少年の施設は今はない。
大阪が青少年の育成の拠点として長い間利用してきた能勢のキャンプ場。
大阪府立総合青少年野外活動センター」。
万博公園児童図書館やその他の施設同様、財政難という大義名分の元、
この数年で、子育てのしづらい状況に追い込まれている。


府民にとって利点の少ない、遠くて時間も交通費も掛かる、
液状化確実の自信に脅かされる場所へ府庁移転をもくろむ輩によって、
平成22年度をもって、能勢のキャンプ場も閉鎖されてしまった。


もっと小さな施設を閉じるのならば、話はわかる。
あれほどの立派な施設を維持できないと切り捨て、それに変わる設備は作らない。
政治のために無駄な上物を作っても、教育のために底上げはない。
費用ばかりかさむ、導入メリットが感じられない管理システム維持にやっき。
教育の裾野に対してどこまで真剣に考えているのか、
大人には生活の余裕やゆとりが減っているからこそ、
子どもだけはその荒波を被せまいと思ってきた、
その企画を実施する場所が、施設がどんどん潰されている。
信用ならぬ政策の一環、象徴として。


高価なお金を掛ける施設ではなかった。確かに施設の老朽化はあった。
だが、本当に全面的に潰す必要はあったのか。
大学生のリーダーを育て、自然保護に、家庭の憩いの場に、
スポーツ、登山、様々な思い出作りに大切な場所を切り捨てて、どうするつもりなのだろう。
府政で良かったとしみじみ思えるものの、何と少ないこと。
そして、府民牧場も閉鎖の方向だという。


あちらこちらに似たような施設が多いからなのか。
利益採算が取れない施設は、閉鎖して当然なのか。
高速道路のETCの1000円が、震災からの復興費用の財源確保のため無くなる。
そういうニュースには納得できる。
しかし、国の中心を大阪にしろとか、『プリンセストヨトミ』ではあるまいし。
多数派、権力者の横暴や独裁の色彩を強めている余波が、
教育・文化関連の施設の閉鎖、改善というよりも改悪となると、
連鎖するニュースを耳にするたび、うんざりしてしまう。


娘が学校から貰ってくるキャンプの案内。
今から申し込まなくては、すぐに一杯になってしまう。
今年はどうしたものか、どこでどんなことを経験させてやればいいか。
家で味わうことの出来ない、同年代、縦割り横割りでの出会いの場を、
どう作ってやればいいか。
たまさかの親の用事に付き合わせた昨日、一昨日。
空間の移動はあっても、キャンプのような経験とは全く異なる。
今週は再び授業参観もある。仕事の段取りをどうしようか。
少し悩ましい、月曜日。週の始まり。
皐月は晦日ホトトギスの声も聞こえる季節。

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