大蛇を置く
自分の中の箱庭のイメージが、みんなを動かすだろうと、
ある程度、揺さぶりを掛けることはわかっていた。
久しぶりの勉強会。私は私のイメージがどのように変容していくか、
グループの中でどんな風に変わっていくか、
予想を立てながら「見立て」を行っているが、
それでも、自分の予想が殆ど当たっているとしても、
自分一人では創り上げることの出来ない世界に、
グループだからこそ創り上げることの出来た世界に、
結構満足して帰宅の途についた。
箱庭は小さくて大きい世界だ。
誰もが同じものを創り上げることは出来ない。
グループで勉強するとなると、それはそれなりに安全を守るために、
危険を避けるために、ある程度の心の準備が必要になる。
お互いの暗黙の了解というものが、通じ合える相手なのかどうか。
せめぎ合い、ただ、それだけに終わってしまわないかどうか、
その見極めが大変だと言える。
とても、疲れていた。当たり前。
フルタイムの仕事をこなしてから、市内まで出向き勉強会。
通勤を1日1往復ではなく2往復するようなもの。
それも、晩御飯抜きで勉強するのだから、ばてても当然。
何か口に入れる時間もあればこそ、適当な栄養の取り方は、
後になって、結構「欲求不満」を生み出したりする。
食欲は夜遅く「噴出」すると怖いことになるのだ。
だからこそ、疲れていたからこそ、何かを飲み込みたい欲求は大きい。
私は全てを飲み込む勢いの蛇を、自らの尾を飲み込む勢いの蛇を、
周囲をねめ回しながらも、威嚇すること半分誤解されて諦める半分の、
自分の役割に疲れ切った年老いた蛇を置く。
水底に隠れることも出来ずに、見られたくない体をさらけ出している蛇を。
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そして、自分自身が必要とするエネルギーの塊のような輝く破片を、
貝に守られて少しずつ成長する真珠を、
常磐木のような明るい色彩の、クリスマスカラーの赤や緑の玉を、
こんこんと湧き出る泉を象徴するような水色のビー玉達を置く。
全ては開かれるように、全ては閉じられるように。
自分の世界は立体的なコラージュ。自分の世界は、人と調和してある箱庭。
グループで動く時、牽制なのか、協調なのか、威嚇なのか、妥協なのか、
瞬時に変転する気の渦のようなものを感じながら、
自分の立ち位置をまさぐる感触が、今日は楽しかった一日。
そう、多くを語ってはならない。
それはルール違反。
自分の診た世界は自分の感覚を通してみた世界。
それでもなお、自分がある程度の予測の中で守られていることに感謝。
グループで学ぶ、ワークをすると言うことは、
直接的にふれあう電脳玉手箱の中のやりとりのような感じ。
それは、思いやりや直感を必要とする。
いきなり通りすがりの人になるのではなく、今、ここに、
生きて存在する人の瞬間の思いに、寄り添える力があるかないか。
講師の先生が説明する。
「とても疲れているから復活を意味するクリスマスカラーを欲するのは、
意味がある行為。」なるほど。
世界を相手に牙を剥くように存在する蛇として大地に君臨し、
空を掛ける、空からぶら下がる、地に潜り込む蛇を、
ファーストアイテムとして用いて、湧き出る泉で締めた回。
意味があったわけだ。それが予測内の綴じ代であったとしても。
来年は龍の年。蛇ではなく龍だけれど、水を司るのは同じ。
「言言」となるか、「狂言」となるか、みもの。
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