Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

地区の演奏発表会へ

知人が何人も関わっている関係で誘われて、地区の音楽会へ。
地元のイベントだから、プロの音楽会ではない分、
手作りの賑やかさが微笑ましい、そんな音楽会。
入場無料なのは当たり前、大掛かりな学習発表会。
将来中学生、高校生になった娘が音楽部や吹奏楽部などに入部したら、
こういう演奏会の場に出るのだろうかと思いつつ、
その頃どこに住んでいるか、不確定要素ではあるなとふと思う。
その頃、どこに進学しているか、どうなっているか、
わからない、未来をふと思い描いて苦笑い。


それでも現役の学生の演奏を聴かせたり見せたりする方が、
小学6年生の娘には刺激的かと。
純粋なコンサートは、ひたすら眠くなるらしいし。
馬の耳に念仏か、情けなくなることも多いが、まあ仕方がない。
疲れた体には音楽は心地よいもの。眠りを誘っても当然か。


  


コンサート、音楽会。発表会。
どんな響きが、言い回しがぴったりなんだろうか。
知り合いが出るから、知り合いの知り合いが出るから。
誰それが引退するらしいから、今回タクトを振るのを最後に。
そんなあちらこちらからのうわさ話を聞きながら、
お付き合いもあり、義理も欠かせず、
自分絡みも娘絡みもあって、午前も午後も出ずっぱり。
休日を丸一日費やしてしまった、そんな今日。


  


何だかゆっくり休めない、仕事を半分引きずったままの文化の日
確かに文化的な一日かも知れない。地区の音楽会は、娘にとっては身近な存在。
年齢的に近いおにーさんおねーさんの集団が、さすが! の演奏を披露する。
荒削りで未完成で、はっきり言って聞いていられないという内容も多々ある。
しかし、誰もがそういう道を通り過ぎていっぱしの演奏に辿り着く・・・のだと、
思って、胸を貸す、いや、耳を貸すしかない音楽の道。


  


集団の力は凄い。相乗効果は凄い。仲間がライバルという関係で、
支え合いながら切磋琢磨し、伸びていく若木のエネルギー。
それは、ひたすら前向きで圧倒される。そう、その若さの、
未熟だからこそ可能性がある、そのひたむきな世界の、
どんどん分け入っていくことが出来る、新しく創り上げる余地のある、
心柔らかな世界の感触に、底から奏でられる音に。
耳を傾け、しばし委ねる。


  


こんな世界は、たった一人では創り上げることが出来ない。
幾ら独奏が上手でも、それだけでは駄目。
自分の心の中に、音楽を載せて運ぶには、
音楽に自分の心を織り込んで奏でるには、
たった一人では出来ないことが沢山ある。
それを目の当たりにさせられる、そんな今日。



知っている曲も知らない曲も、新しい曲も馴染みの曲も、
みんなみんな、今日を限りのたった一回だけの世界。
同じ演奏は、2度と出来ない。
同じ聴衆は2度と集まらない。
同じ青春の時は2度とやってこない。
そんな、地区の合同演奏会に、丸一日を費やした今日。



今年引退するという、先輩のタクトを最後の曲に見ながら。


ブラバン!Beat It

ブラバン!Beat It

ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2011

ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2011