Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

中正紀念堂と寧夏夜市

(写真は全て大きくなります)
いきなり私たちは機上の人。我ながらアンビリーバブル。
実に新婚旅行以来の海外旅行。実に四半世紀ぶりのアジア。
まあ、自分がこんな長期間、海外に行かないとは思いもしなかった。
結婚当初、子供連れで海外旅行をすることもあるだろうと
のんきに構えていた。それがどうだ。
家人は重い病気になる。入退院を繰り返す。自分も体を壊す。
今の職場の最初の5年間のうち2回も入院。
そんなこんなで気がつけば、娘は4月から中学生。
仕事に疲れ果て、身も心もよれよれの私。現実逃避ばかりが頭に。
台湾にいる大学時代の恩師からのお誘いに甘えて、
2泊3日の短期日本脱出を試みることに


  


久しぶりのKIX(関西空港)へ。
かつて家人の勤務地があった徳島への高速フェリーに乗るため、
毎週馴染みの場所だった空港。飛行機に乗らずに通り過ぎた場所。
今、「親子3人」での初海外旅行は・・・、機内で今浦島状態の私。
一人ひとり自由に使えるパソコン画面がある座席、
映画も選べる、音楽も聴ける、ゲームも出来る、凄い!
かつては全員で同じ映画を見ていたのに、信じられない!
その多種多様な時間の潰し方ができる機内にびっくり。
飛行機を怖がっていた娘もこれにはご満悦。



台湾は近い。新幹線で東京大阪間と変わらない感覚。
(空港で拘束される時間が長いだけ)
かつて南回りで乗り継ぎしながらヨーロッパに行った人間にとって、
一食しか食べずに飛行機を降りるなんて、何て短いフライト。
生まれて初めて海外旅行の娘は、台湾というアジアの島国の、
余りにも日本と変わらない雰囲気に驚く。「外国に来た気がしない」
そりゃそうだろう。広告、看板に見慣れた日本の企業、文字、
わけのわからない間違いだらけの日本語表記が溢れる台北市内。


    

  


ツアー利用であるために免税店経由でホテル着後、
日本語の通じるフロントで情報を仕入れてランチに。
香港式飲茶で寛ぐ。安くて美味しい。
徹夜明けのはらわたに染みるおいしさ。
地下鉄に乗って中正紀念堂へ。
正直、この場所は全く好みではないが、家人の希望。
娘がまだ世界史・東洋史を詳しく習っていないのに、
政治絡みの場所に余り連れて来たくは無かったのだが、
それは家族旅行の哀しさ、かーちゃんの希望ばかりでは動かない。


    

    

  


大人の旅行ではないということが、余り認識されていないので、
かーちゃんは鼻白む思いなのだが、とーちゃんは悦に入っている。
蒋介石孫文の違いがわからない娘に、説明するのも大変。
というか、彼を記念するこの広場で何を?
おまけに、博物館土産物を見るわけでもなく、
国旗を降ろす衛兵と夕日を眺める。


    

    

    

  


銅像の上部には蒋介石の基本政治理念「倫理、民主、科学」という
三民主義の本質が、像の土台には蒋介石の遺言が。
それをしみじみ眺めるとーちゃん好みの歴史。
私は近代史政治絡みの側面には、なるべく触れずにいたい人間。
天井の最上部には国章である「青天白日」の徽章。


    

    

    


かつての台湾にインフラ、生活の大動脈とも言える部分を作り、
それなりにこの場所に貢献してきた日本や日本人のことを、
悪しざまに思う基盤を作った人間を奉る場所に、
どうして執着しているのか、私にはわからんのだが。
感謝するとしたら、本国北京にあっては灰燼に帰した可能性のある
貴重な文物を運び出し、故宮博物館を作ったことぐらいか。


    

    

  


それよりもミュージアムとしての地下に入りたかったのだが、
文物展示室を眺める時間があろう筈もなく・・・。
それよりも痛めた足が機能せず、この建物の階段を上れる状態じゃない家人。
この時点で2泊3日、家族を置いて自分だけで来れば良かったのではと、
初日夕方の時点で不安はどんどん膨らむ。


   

    

    

  


再び地下鉄に戻って目指すは夜市。
地下道の音楽家、見た目は綺麗だが味はいかほどか、
何故か日本の寿司が並ぶ地下鉄の駅。
私にとっては歴史を示すポスターが印象的。
日本もこういう風に、アメリカに原爆を落とされて
無謀な戦争、悲惨な犠牲、敗北後、戦後日本がどうなったかを
大々的に駅界隈に示してもいいのになあ。


    

    

   

  


短期旅行は強行軍が鉄則。それにしても・・・。
大丈夫なのか、父ちゃんの足。食い気よりも体調。
徹夜明けのかーちゃんも旅行ハイで歩き回っているものの・・・。
そんなかーちゃんの心配をよそに、「夜市に行く」とハイなトーちゃん。
よりにもよって臭豆腐を食べないと帰らない勢い。うーむ。
初日から、予想以上に歩き回って疲れているのだが、大丈夫か。
余りの熱気に押されて、何を食べたらいいのかわからない。
とりあえずお試し、血の入った揚げ物のようなものを食す。
周囲を見ているだけでお腹いっぱいになってしまった小心者の私たち。


    

  

  

  


ひたすら歩き回って周囲の地理は頭に入ったが、ある意味時間の浪費。
他のツアー客は、『千と千尋の神隠し』のモデルになった場所へ
オプショナルツアーに出かけたよう。
ああ、こっちの方が良かったかなあと思いながら、自分の体力、
家族の状況を鑑みる。欲張ってはいかん・・・。
とりあえず軽い麺類で晩ご飯の後ホテルへ戻る。
明日、恩師に会うのは30年ぶり。
どうなることか。

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