Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

明治村の聖と俗

昨日訪れた明治村の続き。何しろここは広い。
じっくり見て回ったら、一日ではちょっと無理。
とにかく一番奥まで村内バスで乗り込み、出口まで戻ってくる形で見学。
残り半分は次回にリベンジという気持ちで見て回る。
どこに何があるのかバスに乗ったお陰で、何となく位置関係把握。


  

  

  
  


昨日の宿、入鹿荘で貰った割引入場券にはコロッケ券付き。
ささやかな腹ごしらえを済ませて散策開始。
建物の説明や特徴、外見、歴史。沢山ありすぎて覚えきれないが、
移築しなければ取り壊されて保存できない現状・背景を思うとやるせない。
どんなに素晴らしい建物でも、いつまでもそこで現地保存が不可能な、
広い土地の無い、ゆとりの無い、無計画な都市計画に押し流されていく、
歴史的建造物の全てを助けるわけには行かない哀しさ。



  

   
    

大きなビルの一部、物見台のように使われている川崎銀行本店。
ルネサンス様式の全容は如何なるものだったか。
皇居正門石橋飾り電燈、内閣文庫。


  


いずれも晴天に恵まれ、誇らしげに光り輝く。
往時を偲ぶには余りにも寂しいガランとした内部だが、
部屋はともかく内装まで全て再現できるはずもなく。


  

  

  

  

  


高みから周囲を見下ろし、又は見上げ、内部を散策し。
しかし、壮麗な美しい建物ばかりがここにあるわけではない。
鉄橋に線路、灯台に民家、派出所や監獄雑居房、看守所、監房まである。
庶民の生活と密着、時代の顔となる建造物、裁判所等の官公庁
荒ぶる時代を取り締まり管理する権力の象徴となるような建物も、
当然あるべくしてあったのだ。


  

  

  

  



そして逆に人の心の拠り所となった聖域、信仰の場所も手厚く残された。
一見民家のような外見の大明寺聖パウロ教会堂。
禁教時代の面影引きずっているものの、内部はゴシック様式
ルルドの奇跡の洞窟を内部に飾り持つ。


  

  

  


ルルドを訪れたのは何時のことだったか。
奇跡を信じるのは難しいことだけれど、奇跡を信じたくなる時がある。
それは思し召しであり、試されたのだと感じることもある。
それは赦しであり、何と恵まれたことよと感じ入る瞬間がある。
この一見素朴で力強い教会の中にあって、意識させられるものがある。


  

  


そして、この明治村の一番奥まった場所で見たかったのは・・・、
かの有名な建築家、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル。

日本の近代建築〈上 幕末・明治篇〉 (岩波新書)

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