Festina Lente2

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ドラマの景色

家人と私たちの生活をつなぐものは、共通の話題、
思い出の中の景色、大好きな番組・映画・ドラマ・音楽。
TV番組はそれなりに思い出の一コマではあるけれど、
まさか、転勤した家人がTV番組の中の大阪の景色を、
本気で恋しがっているとは思わなかった。


新しい朝ドラはホテルが舞台だという。
大阪は東京と違って、垢抜けない商売人の街という顔を持つ。
そういうイメージを払拭するような、
新しくなったJR大阪駅、リニューアルした老舗の百貨店街、
そういったものを後押しするようなドラマであればいいけれど、
私が見る限り、騒々しい物音をけたたましく立てるような、
およそ情緒の欠片もない、見知らぬ若手ばかりがうろうろするドラマだ。


それに、何だか不気味な設定の男の子と、
元気だけが取り柄の直情径行型の女の子がくっついていく、
それも取ってつけたように、予定調和的な騒動と解決という
一連のすったもんだを繰り返して物語が進行。
その合間に、大阪の中之島の景色がちりばめられるといった風情。


私はちらりとしか見ていないが、セリフのトーンや表情、
演技からは、学芸会のような騒々しさばかり感じてしまい、
背景にある大阪の景色を味わうどころではないのだが、
大阪を離れてしまった家人にとってはちらりと映る景色、
それがとてつもなく懐かしいのだという。


かつて『ウエルかめ』を見ていた時の私たち、
徳島を懐かしむあの時と同じ気分、気持ちを再び味わっている?
とーちゃんはそうかもしれないけれど、私と娘は今回は駄目。
主人公が好きになれない、思い込みの強い騒ぎっぷりに付いていけない。
ヒロインの型というものが、関東に対抗する形になって、
どうしても関西のドラマがどぎつい作りになってしまうのはわかる。
それにしても、ギャップ狙いなのかなんなのか、
地元大阪はあの手のヒロインを受け入れられるのだろうか?
それともヒロインの出身地沖縄に話の中心を持っていく?


大好きだったNHKの朝ドラ、
梅ちゃん先生』が終わってからほぼ1か月。
新しいNHKドラマは大阪で作っているので、
本来ひいきしなければならないのかもしれないが、
誠に面白くないというか、
朝っぱらからうんざりさせられる気持ち悪さ。
これが家人との話題の擦れ違いの一つ、と思うと、
哀しくもあり、侘しくもあり。


みんなで『梅ちゃん先生』1週間分を土曜日に録画で見る、
そんな楽しい家族団らんの休日は、遠い。