Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

天空の白鷺城見学 

(写真は全て大きくなります)

冬休みを目の前にしたクリスマス連休は、
帰阪した家人が見学予約してくれた天空の城に出向くため、
久しぶりに家族ドライブになるはず・・・が、
私がうつした風邪で娘は轟沈のまま。


  

  


見学の予約枠を捨てるに忍びず夫婦2人で遠出。
公開はお正月明けまで、多分この先一生、こんな間近で見られない
と思うと、四半世紀ぶりの訪問もありでしょ。
(娘よ、ご免。親だけでドライブと見学)


  

  


門の釘隠だけでわかるかな? 
どうして釘隠なのに、こんなに色っぽい形をしているんだか。


  

  

  


小雨ちらつくクリスマス連休初日土曜日、
天下の名城の天守閣を間近に見る。1月14日までの公開、
これを見逃したらもう生きている間は大修理などないだろう。
爆問でおさらいしておいて良かった。
丁寧な補修工程、伝統技術、隠された窓の秘密、
鯱や鬼瓦、白鷺城は美しいだけでなく学びの場だった。


  

  

  

  


天守閣の位置から見下ろすかつての「お城下」。
来年の大河ドラマ黒田官兵衛』関連の建物が見える。
今日はまだ入ることが出来なくて、残念。
予約と当日入場で制限しているせいか、心配した混雑もなく、
思いのほかスムーズにゆとりを持ってみて回ることが出来る。


  

  

  

  


解説ビデオや展示も様々に工夫されていて、見えない部分も
実際にどのように解体し、補修していったかわかるようになっている。
何故屋根に白い部分が在るのかも、間近に見るとなるほど。
それにしても、昔の建築技術があったればこそ、今の補修、大修理。
当時の技術水準の高さに驚かされる。


  

  

  

  


物作りの技術というものは、どんなに録画録音文献で丁寧に残そうと、
体で覚えなければならない部分は、実地に体験しない限り伝えることは出来ない。
折り紙一枚で鶴を折るにしても、実際に紙を折って過度と角を合わせて、
折り目をつけたたんだり開いたりしながら平面を立体にしてこそ、
何がどうなるか手順も過程も完成形も把握することが出来る。


  

  


壁一枚ただ闇雲に真っ白に塗った喰っているわけでも、
瓦を順番に重ねて置いていけばいいわけでもない、
そこに格までの下準備から、再現するまでの過程で確認しなければならないこと、
実際に復原すべき望ましい状態に至るまでの地道な作業は、
熟練に格までの修行も兼ねて行われることになる。
経験者はその経験を生かしながら、更に極めるために。
経験の浅い者は、精進を重ねて更に様々な技術と先人の知恵を、
自分の中に取り込んでいくために。


  

  


豊臣と徳川の二大勢力争いの中、薄幸の千姫が過ごした場所には、
正月を迎えるにふさわしく百人一首に興じる模様が再現されていた。
それにしても、この板張りの、幾つもに仕切られた部屋が
かつての居住空間かと思うと、何だか侘びしい。
お城ライフは現代と比べると質実剛健すぎて、住みにくそうだ。


  

  


城の美しさは是非皆様ご自分の目で、
修復の跡を辿りながら鑑賞なさって下さい。
ところでゆるキャラブームの昨今、姫路城こと白鷺城には
「しろまるひめ」という「ゆるキャラ」がいることを知った。
そして姫路の街は黒田官兵衛ブームに沸いていて、
新年からの大河ドラマ観光路線一色に染まっていた。


  

  


残りの時間は、お城の隣、姫路市立美術館を覗いて過ごした。
夕闇迫る中、趣のある煉瓦造りの建物、
(明治時代の建物:明治末〜大正2年建築・旧陸軍第10師団の兵器庫、被服庫)を保存活用した、
何ともシックな佇まいが素晴らしい。
城だけでなく、頑張って足を伸ばして良かった・・・。
さよなら姫路、出来れば官兵衛ブームの内に、もう一度訪れたいなあ。


姫路城100ものがたり

姫路城100ものがたり