Festina Lente2

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気にしたら負け

雨が桜を散らしている。桜吹雪になる前に、
雨が桜を散らしている。車のボンネットに、窓ガラスに、
花びらがまとわりつき、地面に散るのをイヤイヤしている。
雨が桜を包んでいる。景色はどんよりと曇り、
花びらは湿気てへばりつき、散華には今ひとつの風情。
桜は雨に降られて、天気に振られて、ちょっと侘しい。

櫻よ―「花見の作法」から「木のこころ」まで

櫻よ―「花見の作法」から「木のこころ」まで

仕事は押せ押せで、何だか頭が良く回らない。
気が付いたらあれもこれもだけれど、優先順位は?
相手の出方次第なのか、様子を伺うべきなのか、
連絡はどちらから、電話よりメール?
5時間おきに飲む薬を忘れて、痛みは増すばかり。
桜のこの季節、仕事も紫外線も見えないところで傷を広げる。


心無い言葉、妙な言い回し、とんでもないため口、連絡不行き届き。
世間ではマニュアル人間だのシュガー人間だの、
組織を破壊する輩が云々されているけれど、いや、年配だって、
経験者だって、たかをくくっていると、とんでもない落とし穴。
それにしても3歩歩けば忘れる、ひよこ頭、ピヨピヨ。
同じような事を自分もしている、と思う。


バリケードではなくてデリケートなのよ」と言うと、笑う。
傷つく事もあるのよ、わからないことも一杯なのよ、
人前に立つのは好きではない、慣れないことばかり、
話したい事は書くこととは違って、なかなか上手に話せない。
溜息、嘆息、痛むこめかみ、霞む視界、焦り苛立ち、汗ばむからだ。
そういう中で、忸怩たる物思いに鬱々としながら、
昨日も今日も明日も、ばたばたと動き回り、仕事をしている。


これでいいのかどうか、振り返ったときには遅い。
走りながら考えている、考えながら走る。
落とし穴に落ちる前に、自分でせっせと穴を掘っている。
なんてまあ、これはこれは。開いた口がふさがらない。
でも、年度初め。もう走り出したら止まらない汽車に乗った。


気にしたら負け。
桜は咲いた、あとは散るだけ。
来年どんな桜が咲くか、走って行きつく先まで
行き着いてからやっと一服。
それまでは、ノンストップ。雨で濡れても
曇っていても、花が散っても、毛虫が落ちてきても、
いちいち驚いていたら身が持たないでしょ。
気にしたら負け。


そんなふうに開き直る、今日。

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