Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

てきぱきからは程遠い

とある給付に関する書類作成をサボっていた付けで、貰えない。
てきぱき、きちんと書類を整理していなかったのは、自分が悪い。
サボっていたというのには、語弊がある。
一度手元に送られてきた書類の照合を役所に問い合わせて、
間違いだったと言われて納得していたのがアホだった。
間違っていたのは自分の勤務先の別の担当だったのに、
知識の無い私は、それ以上突っ込めずに終わってしまっていたのだった。


年年歳歳人同じからず。どうなっているかというと、
重力に引きずられて間延びしているのは、体型ばかりではないらしい。
脳の中身もダリの絵のベーコンや時計のように、ぐんにゃりと間延び。
ある人は脳細胞が痩せているのだといい、
栄養が回っていないとも、脳細胞が急速に死滅しているのだともいい、
プチ鬱も続けば、脳も不活性だから仕方ないという。


単に老化じゃないか? そう言っててしまえば身も蓋もない。
頭の中が空回り。自分で時間を掛けて考えることが出来ず、
人に甘えてしまい、ご無体にはならぬ程度にお願いし、
慇懃無礼に連絡を回し、督促とまではいかぬまでも、
放置している書類に目をつぶり、仕事先を後にして来た。
てきぱきからは程遠い。後ろ向きに前進? 後退? 撤退?


野暮用の為に家人宅に来てカレンダーをめくる。
本日のあいだみつをは
「うそはいわない ひとにはこびない
 ひとのかげぐちはいわぬ
 わたしにできぬことばかり」ですと。
ああ、じんわりと心に沁みるわあ。
本当に、私に出来ぬことばかり。

相田みつを ギフト つまづいたって

相田みつを ギフト つまづいたって

いのちいっぱい

いのちいっぱい

出さなくてはならない書類、書かなくてはならない書類、
色んな書類を山積みに、私は空ろな木偶のよう。
かろうじて表を組み、印刷しようとすると目が点?
プレビューで確認すると、どうやらスペース不足。
いつもなら難なく出来る書類作成、キーボード操作が思い出せない。
昨日の出張先で、自分がどこを歩いているかわからなくなったように。


見覚えのある景色。だけれどよくわからない。
自分の進む方向に自信が持てない。
一度通った道を行ったり来たり。記憶力の問題ではなく、
疲れていたり、考えたくないことがあったり、
落ち込んでいたり、直面する事態から逃げる時、
何かの境界線があやふやになるような、そんな不安感。
今週は、心の面でも体の面でもそういう揺れが強い。


明日、人間ドックほどではなくても受診する検査。
せっかくの検査のための仕事休み、職免。
けれど、憂鬱。されど、職場から離れられるのは嬉しい。
だが、仕事の積み残しが増えるのは困る。
平行線を辿っている、仕事の山が、書類の山が減らない。
出張先が増える一方。担当者は私。
誰かに振る事が出来れば、良いのだろうけれど…。


上手に振るのは難しく、人的にローテーションに無理があり、
一旦、楽な所に行けば、そこから人はカタツムリの殻の住人。
ヤドカリになってしまう。なまこのようにぬらりくらり。
そんな中で仕事の割り振り・段取り・出張って行かねばならぬ。
生き残りを掛けて我侭な「おいでませ」、無理難題を言う機関。
予定外のいきなり研修を打ち出すお上。困る困る。


そして、何が何でも自分には無関係だと仕事をしない。
外部との交渉には出向かずに、守りに入っている人を相手に、
波風を立てぬように交渉をするのは難しい。
だから、私には出来ぬことばかり。
嘘は言わない。でも、それこそが上手な嘘みたい。
人には媚びない。されどサービス精神も助け合いの精神も、
どこかに置き忘れてきたみたいな連帯感の無さは、
風通しの悪い湿気た心を育てる。


だから、「人の陰口は言わぬ」で過ごす事が尚更難しい。
一つ、胸に収めておいて仕事を進めて、というのが難しい。
おまけに出張途中で読んだ本も悪かった。選択ミス。
「霧笛荘」なんて文字に惹かれて、選んだのが悪かった。
人生の吹き溜まりを、纏足の老女に連れられて共に歩いている気分。
これでは、気分が明るくなりようが無い。


明日、病院までの道すがら、どんな本を持っていこうか。
その後の出張までの時間つぶしが可能なら、
どんな本を持っていこうか。
それよりもこんな時間になっても、まだ問診表にも手を付けられない。
ちょっと弱気になっている私。
眠気だけが襲ってくる。皮肉な「退院後1ヶ月」直前。
雨が降らないといいなあ。

雨の日には…

雨の日には…

じぶんの花を

じぶんの花を