Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

Finding Neverland

仕事を終え、月に一度のボランティアに出向いてみると、
運がいいのか悪いのか、今日は一度も電話が掛かって来なかった。
みんなでおしゃべりしながら、近況報告。
ここでは私は超若手? の新参者。学ぶべことは多い。
それにしても、人生をタフに前向きに、問題意識を持って生きている、
百戦錬磨のツワモノには励まされる。
ここに来ると、自分がちっぽけではなくて、
普通に頑張れているのかも、と自然に思えるから不思議。
でも、始まったばかりのボランティア。
これからいつまで続けられることか。


差し入れのおやつを貰って、急いで帰宅。地下鉄と車で。
この日は100円パーキングにお世話。公共交通機関利用のみでは、
自分の時間は削られるばかりの場所に住んでいると、
否が応でも運転しなければならない。
これが気分転換になる時もあれば、少々苦痛なときも。
でも、動くオーディオルームと思えば、ね。

電話相談の考え方とその実践

電話相談の考え方とその実践

心理臨床という営み―生きるということと病むということ

心理臨床という営み―生きるということと病むということ


まだ頑張って宿題? かーちゃんは夕食がてらBSをつける。
君にはお留守番の御褒美、アイスキャンデー。
偶然懐かしい映画、『ネバーランド』をやっていた。
今をときめく子役となったフレディ・ハイモアと、
ひょうきんな海賊役や陰惨な床屋のイメージからは程遠い、
落ち着いた渋い役をこなすジョニー・デップとの初共演映画。


こんなに幼かったんだなあと改めて、時の流れを実感。
もっともフレディ君は幼顔、童顔なので実年齢よりはかなり歳下に見える。
この情緒的な心の触れ合い、すれ違いを描くイギリス映画。
美しい景色、ピーターパンの世界が持つ隠喩の世界。
死を見つめながら生きる意味、ネバーランドの彼方。


子どもの時、誰でも「死とは何か」を考える時期がある。
その考えから離れられなくなると、余りいいことではない。
普通は日常生活が、一つの考えに執着することを忘れさせてくれる。
でも、肉親が、親が、不治の病に掛かっていて、いつ消えるかわからない。
そんな不安と隣り合わせになって生活しているのであれば、話は別だ。


むろん、大人の世界でも「メメント・モリ」は常識なのだろうが、
ある程度の常識をわきまえていれば、知恵と努力で誤魔化すことを知っている。
生活をしていく前提が、哲学的である前に刹那的に生物学的に物理的に時間を運ぶ。
忘れるのではなくて、見て見ぬ「ふり」を出来るのが大人であり、
それで自分を納得させる事ができずに、純粋に苦しむのが子どもかもしれない。
もっとも、大人だって苦しいし怖いし悲しい。
ただそれに耐える力が、幾分子どもよりもある可能性が強いかも、だ。
子どもよりずっと弱い人だって大人にも存在する。


永遠に子どもである、永遠に生きることを許される、永遠に若いまま。
バンパネラの世界とは異なるが、人に永遠は許されない。
一時の夢、うたかたの夢に酔うことは許されても、
運命に抗ったり、神の御技の前に逆らったりすることは出来ない。
残酷で恨めしくなるようなことばかり続いても、どうすることも。
それが人間の限界だと素直に受け入れるのか、諦めるのか、
どうすればいいのか、いまだ私にもわからないけれど。


ただ、遺される者の心の痛みを知るもの同士が寄り添い、
理解し合い、心の傷を癒す事が、癒し切れない傷だからこそ、
お互いの側にあって触れ合う事が必要だということは、
切ないまでに、どうしようもなく理解する事が出来る。
そしてそういう存在に、いつも恵まれるとは限らないということも。


ネバーランドを夢見て、見ることの出来る人は幸せ。
誰もそこに行きつくことは出来ないのが普通。
だから、人は夢を見る。ネバーランドを。
あなたがピーター・パン、私はウェンディ?
誰が何の役をするのか。
時計の音が鳴り響く。誰もが、チクタクを聞いている。
久々に、ネバーランドをのことを考えた、夜。

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映画「ネバーランド」オリジナル・サウンドトラック

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