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春の大掃除

家の中が片付かないまま、弥生、3月もあとわずか。
この時期、時々思い出すのは「春の大掃除」という言葉。
うろ覚えのかすかな記憶だが、
ピーター・パンがウェンディの家を訪れると約束した時期が、
確か今頃ではなかっただろうか。
子供の頃不思議だったのは、
どうして「春の大掃除」という言葉があるのかということだ。

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年末、暮れの大掃除ではなくて、どうして春に? 
子供心に色々考えていた。
3学期、終業式が終わって1年が終わるから。
新学期に備えて古いものと新しいものを入れ替える? 
進学や就職で新しい制服に変わるから、洋服ダンスを整理する? 
春は中国から黄砂が飛んでくる。確かにそこらじゅう埃っぽくて、
春は思いのほか空気も乾燥してぱさぱさするし、そのせいかな? 


子供の頃は持っているもの、自分のものが少ないから
片付けに苦労をすることはなかったが、転勤と引っ越しと縁が切れ、
マイホームに住むとモノは溜まる一方。
定期的に捨てないと、家中、もので溢れることになる。
(我が家はまさに、読まなくなった本や書類、
着ない着られない服で溢れている?)
1つの家に長く住むと感覚が麻痺してきて、
惰性でものを置き始めて、捨てなくなってしまう。
思い切った行動に出るためには、場所替えは大切なのかも。 
転勤や引っ越しで、何が何でも片付けなくてはならないから、
大掃除は絶対必要。でも、あれ? 
みんながみんな引っ越すわけじゃない。


どうしてイギリスは日本と違って春が掃除の季節? 
大体、ピーターが春の大掃除の時だけウェンディを迎えに来るって、それはウェンディが自分の家の大掃除、お手伝いをしないで
ネバーランドに行くって事? 
それともピーターたちのお母さんとして、
ウェンディはネバーランドで大掃除をするってこと? 
どういうことなんだろう。何なんだろう、春の大掃除って。

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そんな風にあれこれ考えてしまったのは、
被災地の惨状と比べるべくもないが、我が家の惨状。
毎日仕事に出て真っ暗になってから帰宅。
隙間掃除では片付かない、片付けられない私。
(水周りだけは何とか死守しているものの)
埃では死なないとはいえ、モノは溢れるばかり。
片付けても、片付けなくても惨状は変わらぬと
家人から冷笑を浴びている情けない状態を今日一日、
土曜日わずかでも解消したいとジタバタしているのだが。
(しかし、三食作っているとおさんどんだけでも時間を取る)


イギリスではそのまま、spring cleaning 春の大掃除。
一般的にはヨーロッパでは、冬休みはクリスマス休暇であって、
お正月を特別に祝うわけではない。
クリスマスのついでにお正月、というか、
メリークリスマスはハッピーニューイヤーと同義になっている感じ。でも、日本お正月は特別だ。クリスマスとは厳然と異なるため、
町の飾り付けは25日を過ぎると一変。
クリスマス仕様からお正月新年モードに、門松立てておおわらわ。
庶民もそれに倣えで、(もっともクリスマスツリーを飾り付けない
我が家では注連飾りをするくらいだが)
年末年始は二段構えの出費と飾り付けが必要になる。


そして、恒例煤払い・大掃除と続くので、
年の瀬の慌ただしさといったら気忙しいだけではなく、
まともに動けば時間が足りなくていけない。
仕事納めの忘年会なんて悠長なことを言っていられるのは、
食事も掃除・洗濯も誰かに任せている何処のどいつのこと?


だから、心機一転すがすがしい気持ちで新年を迎える前に、
疲れ果ててしまう。料理をしたくなくなる面倒な御節料理
とさえ思うくらいの味付けの濃い保存食作り。
最近は伝統的な和風のお煮しめ、酒醤油砂糖をたっぷり使った
正月料理を食べる家(うち)など少ないだろう。
私の頭の中には年末年始は掃除と料理がセットになって
渦巻いている期間があった。手抜きをしてからやや減少したが。


さてさて、スプリング・クリーニング。春の大掃除。
ヨーロッパの長く暗い冬を終え、イースターを迎える準備、
カーテンを替えインテリアも洋服も明るくして、
待ち望んだ春の到来のために、装いを新たにする。
それが「春の大掃除」なのだろう。
日本とは意味合いが異なるのかもしれないが、
日本は日本でキリスト教徒ならずとも、
春は転機、芽生え、新生の季節だ。新年度の意気込み、
転勤、異動、別れと出会いの興奮で満ちている。


花や草を摘み、食卓に新鮮な旬の緑をあしらい、
重いコートを脱いで薄物の軽やかな装いに替え・・・。
ネバーランドに飛んで行くことはできないけれど、
春の大掃除は大切。
日々を重ねて大人になる、年を取ることは避けられないから、
せめて心の中から生活の中から綿埃を払い、
降り積もる憂さを整理整頓し、
目にも心にも新しい風を吹き入れよう。
弥生最後の土曜日の今日。

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