Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

白鶴 秋の酒蔵開放

ようやく写真をアップしました。どうぞご覧下さい。(10/7)

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子供が幼い頃、子供に合わせて遊ぶ場所を探す。
親としては当たり前のつとめ。
小学生になってから段々、特に最近は親の好みで連れ回している。
まことに勝手な親で申し訳ない。
しかし、この秋ふと目に止まった夕刊の記事に釘付け。
酒蔵が開放!? 工場見学に利き酒。これはこれは・・・。


私は量は飲めないが、お酒は好きだ。
でも、妊娠・授乳中禁酒が続いた。
実はこれはこれでさびしい生活だった。
何故なら、産休育休を過ごした徳島には実は、
知る人ぞ知る銘酒、造り酒屋、酒蔵が結構あったからだ。


飲酒というのは体育会系の業、鍛錬?を必要とする。
普段飲んでいなければ、当然酒量は落ちる。
お陰で、すっかりお酒には弱くなってしまった現在。
しかし、秋も深まるこれからは、お酒が美味しい季節。
何と言っても食欲の秋はお酒が美味しい季節。
これを逃す手は無いということで、下戸の家人、
飲めない小学生の娘に酒蔵スタンプラリーがあるよ、
お酒のスイーツや縁日、寄席もあるよと連れ出した私。

 

ここは阪神大震災にの被害甚大だった、
灘五郷と称される酒蔵の町。
自分の大学も被害を受け、正直この地を訪れるのが辛く
足が遠のいていたということもあるが、記事が目に止まったのも何かの縁。
10年以上経って町並みはかなり落ち着いたものになったと聞く。
昔の面影を知らない人間には、何が幸いするかわからない。
あれこれ比較しながら探訪するのは少々気が引けるから。

 

家族で酒蔵探訪の小旅行へ。初めて阪神住吉で下車。
一旦市内に出て、梅田から阪神に乗り換えたものの、西宮どまりで、
更に先、各停しか停車しない駅へ行くのは思いのほか時間が掛かった。
しかし、お目当ての白鶴資料館に着いてみれば、
そこはかとなく酒粕の香り。気もそぞろ、
屋外縁日の朝市に心惹かれるも、やはり試飲コーナーへ。

 

 

無料で試飲できるもの2種類、これは普段でも気軽に頂ける。
きりっとした原酒の味わいは今だけのもの。
女性向の柔らかな味の物。瓶もお洒落だ。
有料2種類、これはちょっとしたもの。
ほいほいと嬉しさの余り飲んで、工場見学を待っている間、
更に利き酒コーナーでも口に含むだけでなく飲んだ私。
かなりほろ酔い。・・・昼抜き、空きっ腹に飲んだのがこたえた。

 

 

資料館の中はむろん、酒造りについて現物、作業する人形、ビデオ。
実際に使われた道具を元に解説。手作りの時代の大樽、
一升瓶2千本分を一気に仕込んだという、その大きさに圧倒されてしまう。
工場見学は匠の技を今に活かす近代的な設備。
酒母室・醗酵室と資料館の歴史的な時間が一気に現代へ。
再び戻って昔の酒蔵の雰囲気を今に伝える資料館。

お客さんで混雑する販売コーナー。
酒蔵開放の福袋。勿論2千円の方をゲット。(翌日は売り切れていた)
丈夫なな布製オリジナルトートバック入りが嬉しい。(この辺が主婦)
たった3種類からの利き酒もばっちり当てて、濁り酒のお土産。
(この辺が元「のんべ」の面目躍如?)
子供は利きジュースコーナー。正解者はお菓子。

    
    

お昼のメインは樽巻きショー。滅多に見られない菰樽。
無論巻いていくのを見るのは初めてで、感動。
お祝い事の席で鏡開きは見たことがあるし、
神社仏閣に奉納されている酒樽を見たことはあるけれど、
裸の樽が菰を巻かれて、縄で縛られ荷札を付けられ装いも美しく、
日本の美の象徴のように職人の手で仕上げられていく様子。
手作業が仕事の場から失われて久しい今、
貴重な光景を娘に見せることができて良かった。

   
   

お酒を仕込む為の特別な酒米、米から酒か醸され、
包む菰も縄も、全て稲から作られる、その自然の恵みに、
その自然を利用した先祖の知恵に、熟練した技に見惚れる。
作業時間およそ20分。そのせっかく巻かれた樽を正面に据え、
鎌で縄目を切り、バールで蓋を緩め、鏡開きし易いように下準備。
鏡開きの後、茶漉しで木屑を掬い、押すな押すなの行列で頂いた
振舞い酒は杉の香り、しばし何とも言えぬ酔い心地。

 
 

・・・そう、すっかりお酒に弱くなっている私。
試飲といえ蔵元太っ腹、溢れるほどなみなみ注がれた
杯代わりのプラスチックミニカップ
馬鹿にしてはいけません。久しぶりに地球の自転を感じました。
屋台のたこ焼きをかじった程度では、お腹の足しにはならず。
しかし、そのほろ酔いのまませっかくの記念だからと、
娘で1枚、夫婦で1枚オリジナルラベルを作って貰い、
白鶴匠技本醸造に貼ってもらってお土産に。
すっかり商売路線に乗せられている家族、いや、親。


寄席は大学の遥か後輩に当たる、甲山落語研究会の前座3人。
娘は、去年の大学祭で見たお兄ちゃんがいると喜んでいる。
確かにその通り。「ちりとてちん」を見ていた私と娘、
招かれた大学祭で、落研の寄席を見たが、確かにその時の人。
随分1年で上手になったなあ。
メインゲストは月亭八光。家人も娘も喜んで聞いていた。
私もほろ酔いで酒にまつわる落語を楽しんだ。


その後私が酔いを醒ましている間、娘はイベントコーナーで、
ガラス細工に熱中。子供が遊べるゲームコーナーもある。
私と家人はタイムサービスで日本酒スイーツ購入。
杯に透明な吟醸本醸造・濁り酒のぜりー、3種類。
帰宅後賞味。かなりお酒の味が強い。大人のデザート。
あっという間に時間が過ぎて夕方。
酒蔵スタンプラリーだったはずなのに、白鶴一つで終わってしまった。


昼抜きだったので阪神西宮で一旦下車。
夕食場所を探した。
実は電車の中で吊り下げ広告を見た。
「西宮酒倉ルネサンスと食フェア」
西宮神社までは行けなかったけれど、商店街と
おそらく今津郷西宮郷の酒蔵が協賛しているのだろう。
今頃、泉州だんじり祭りで賑わっている。
そこここで、私達はバッカスではなく穀霊の恵みで潤い、
夜は更けていく。

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