Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

伏見の酒蔵開き

出歩く気力はなかったものの、今年の予定行事として組み入れていたので、
やっこらせと出かけてみた。以前のように飲み歩く元気も無い。
その時の記事はこちら→http://d.hatena.ne.jp/neimu/20100111

    


駅前、古いお風呂や、小さなほこら。所帯じみた小道を抜けて、
以前と少し違う道を歩くと、カッパで有名な黄桜の前へ出た。
中庭の賑わいに惹かれ、蒸かしたての饅頭や粕汁、樽酒を味わう。
少し生きた心地蘇る。
あんこが苦手な娘も、この頃漉し餡なら食べられるようになってきた。
陽気に寛いでいる人々を観ていると、世界がのんびりしていることに改めて驚く。


          


試飲をするというよりも、ようやっと味見をしたかなという感じ。
家族で出歩く時間を大切にしたい2月。仕事に潰されそうになる自分を、
少しでも非日常の空間に置いておきたい。
工場の中はひんやり。人は大勢。以前飲んだ時よりもきつく感じるのは体調のせい?
もっと軽い仕上がりのものが飲みたいと感じる自分が歯がゆい。


        


お目当ての神聖が飲める直営店は、長蛇の列。今年もお食事は無理そう。
なので、別の店へ出向くことに。入り口は小さいが、酒蔵を改造したのか、
中は大きくて広い。料理もなかなかのもの。

      


お酒が美味しいと食事も美味しい。食べていると、生きているなあと思える。
美味しい物を食べていると、仕事の憂さも忘れられる。(ような気がする)
ここは「月の蔵人」


            


豆腐尽くし、懐石の細やかな美、上げ膳据え膳で供される料理、
思いのままに飲むことが出来ればいいのだが、食べるのがやっと。
この贅沢をどうすればいいのだろう。ありがたや。
家に引きこもらず出てきて良かったと思える瞬間。ご馳走の数々。


    
  



そのまま月桂冠の酒蔵美術館、大蔵記念館へ。
以前来た時のように、むろん見学・試飲の元気は無いのでちょっと覗くだけ。
季節のしつらえ、ちょっとした飾り、新年の干支など、
縁起物の調度を観るだけで、地味派手なながらも華やいだ気分に。


           


何ゆえ川に架かる橋の模様に琵琶かと思えば、
この近くの長建寺には弁財天が祭られているという。
さもありなん、技芸の神様。ならばお参りせねばと立ち寄る。
中書島の駅まで戻る途中の名所。蝋梅が美しく咲いていたが、閑散。
かつて秀吉が戦い、戦前は遊郭があったという界隈の面影はない。
ただただ静かな場所になっている。


                


伏見の名水に挙げられている「閼伽水」が弁財天堂の傍に、
町の人々に時を告げたという梵鐘が境内にあるものの、人っ子一人いない。
再び川沿いの酒蔵を眺めながら戻る駅までの道すがら、
来る途中に見かけた今どき大きな銭湯には、もう暖簾がかかっていた。


      

京都の地酒蔵 (らくたび文庫)

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