Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

 初 病院での宿泊人間ドック

今日は1月で一番付いていない日なのだろう。多分。
生まれて初めて病院での宿泊人間ドックに・・・遅刻した。
念のため目覚まし二つかけていた、というか常に朝から仕事している
早朝覚醒の私は、目覚ましなんぞ要らないのが普通。
4時5時、遅くても6時に目が覚めるのが当たり前なのに。


・・・仕事がないということは、それくらい脳を麻痺させるのか?
それ位疲れ切っているのか? 目が覚めたら7時50分。OH MY GOD!
いくら家人宅から病院まで1時間足らずとはいえ、
8時半までにお入りくださいだぞ!(これもホテルクリニックと違って、
やたら早くて、組合員でも遠隔地の人間は利用できないシステムだともいえる)
?! とーちゃん、君、毎日ちゃんと仕事に行っているのか?
最も当てにならないのが、お互いだとは・・・。


母校の大学に近いこともあり、友人と会う約束もできるので、
少々センチメンタルな気分になって、割高なホテル宿泊よりも、
病院宿泊を選んだ時点で、魔が差したのかも。
とにかく朝寝坊、それも滅多にない朝寝坊、信じられない朝寝坊。
兎にも角にもダッシュで飛び出す。ラッシュ時は終わっている。
ラッキー、通勤特急が来た。使いたくないタクシーを駅から飛ばし・・・。
運転手のにーちゃんはのんびりと、「がん治療がいいらしいですよ」
えーい、そんなこと聞いとりゃせん。


到着。受付。すみません。あれ? みんなガウンに着替えて。
ええ? これ、この人数みんな人間ドック? ひえー。
(後からわかったが、日帰り、1泊、2泊みんないたらしい)
というわけで、おおよそ1時間遅刻というのに、難なく紛れ込み、
優しい看護婦さんに、「大丈夫ですよ」と慰められ、参加。
胃カメラの先生はとっても上手で、遅刻の影響なく他の診察を終え、
いったい何なんだーって感じ。12時のランチまで40分もあるよ。


暇にまかせて採光のいい部屋に赴けば、この張り紙。
検査室に行けばこの張り紙。ああ、うんざり。
そりゃあ、理解はできるけれど、朝からアクシデントが多い私は、
これを読んで大いに凹んだ。ある意味、身につまされる部分も。
「威圧的行為・暴言・暴力お断り」
登院では、患者様の安全を守り、また、業務円滑に行うため、万一以下ののような迷惑行為を認めた場合には、診療無可能と判断させていただく場合があります。十分ご理解いただき、適切な医療の提供にご協力くださいますようお願い申し上げます。


1 他の患者差ままや病院所行員に暴力を振るった場合、もしくはその恐れが強い場合。
2 大声・暴言または威圧的、脅迫的、攻撃的な言動により、他の患者様に迷惑を及ぼし、あるいは病院職員に迷惑をかけたり、業務 を妨げた場合。
3 アルコールを飲酒した上で、他の患者様や病院職員に迷惑をかけたり、業務を妨げた場合。
4 解決しがたい要求を繰り返し、病院職員の業務を妨げた場合。
5 機器備品、施設設備を故意に破損した場合。
6 治療もしくは面会などの用事なく病院内に立ち入り、注意しても退去しない場合。
7 受診に必要でない危険な備品を院内に持ち込んだ場合。


この内容が大きなイラスト付きで、あちこちに貼られている。
目にするだけで落ち込む。
こんな場所に人間ドックにきたのは間違いだったかと思うほど、
げんなりした気分にさせられる。
組合の関係上、費用も安く良質な検査内容という設定で、
今年は初めての場所、ここに決めたけれど、
やっぱりホテル付きクリニックが当選するまで待てば良かった。
少し焦って(諸般の事情であちこちの経費が高騰しているため)
決めたのは間違いだったかとつくづく感じさせられた、一こま。
職場との接点が多過ぎる・・・。くつろげない。


もちろんわかっている。病院も大変なんだということは。
時々覗く医療関係者のブログには、常識では考えられないことが満載。
(教育の現場でもよくあることだが)お客様稼業だろうと外部から叩かれ、
過剰なサービスを求めて、理不尽な要求をしてくるモンスター患者
モンスター保護者が余りに多いことを窺わせる病院の掲示
嘆かわしいけれど、現実はこうなのがよくわかる。
別に酔っ払いが受診して暴力を振るっているのでなくても、
これが現実なのだということが。


小学生でも教師に向かって「学校で転んで怪我したら、誰が責任とるんや」と
言って来る時代だ。無論、親の受け売りだろう。
そういう親に育てられた子供は、親と同じパターンで育つ。
そして、訳のわからない理屈や要求を学校や社会、病院で通すのだろう。
モンスターペアレンツならぬ、モンスターペイシャントってわけね。
人間ドックに来ても、仕事から逃れらぬって感じ。
くつろげない。やっぱり、病院ドックは気になる掲示が多過ぎるかも。


そして、私を迎えた数々の現実は・・・。

苦情マネジメント大全―苦情の受理から分析・活用までの体系

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父さんは人間ドックから帰ってこなかった

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ビジュアル版 3大疾病の教科書―がん・心臓病・脳卒中をストップ!

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ホテルと違って、4人部屋。本当に素泊まり入院って感じの4人部屋。
ロッカーは美しく、入浴のお風呂はかわいくて壁紙もきれい、
でも、パーテーションとカーテンがあるとはいえ、ドックの4人部屋。
入室した途端、どうしてみんなお布団かぶって寝ているの!?
(カーテン開け放しで)ランチ前だよ・・・。
後から聞けば、8:30の受付のため、寝不足とのこと。やっぱり。
利用が、みんな病院のそばに住んでいるとは限らない。
おまけに、これも後からわかったが、かなり遠方からも来ているよう。


事情がわからず、病室にいたたまれない私。ボーっと昼食時、
一本入れ歯の義歯を何気なく外してプレートの上に置き、
母校の大学が麓にあるであろう懐かしい山並みを眺めながら、もぎゅもぎゅ。
もふもふ。食べました、朝から絶食だったから、文句は言いません。
何を食べてもおいしい。あ、いや、失礼。
デザートの桃饅頭は、神戸中華街の、本来なら家族で行くはずだった
春節のお祭りを思い出させた。外はあいにくの雨。


・・・センチメンタルな気分になっていたのが悪かった。自分が悪い。
病院側に落ち度はありません。そのまま、食事のお盆を下げた。
私が気づいたのは、食後の肺機能の検査時。紙パイプをくわえる瞬間。
「私の歯が無い!」
笑い事ではありません。(読んでいる人は笑えるよね)
即、検査室のおねーさんに訴え電話してもらいましたが、
何しろ病院ですからね、沢山の食膳を下げて処理しています。
おまけに、でっかい総入れ歯ならともかく、小さな1本だけの義歯。
予想通り見つかるはずも無く。(見つかったら奇跡だと思ってました)


安価な人間ドックを選んだはずなのに、どえらく高く付きました。
(昨年までと同様の補助が財政難で打ち切られたため)
しょげている私に追い討ちをかけるように、昨日時計屋から戻ってきた、
20年愛用の時計(竜頭の修理に出していた)の金属製のバンドが切れ、
腕から滑り落ちてきたときのショックと来たら。
なんで、なんで、何でなのよー!!!
本日は13日の金曜日かと思ったくらい。30日の宿泊ドック。
朝寝坊、遅刻する。気まずい4人部屋。歯は失くす。時計は壊れる。
もはや、次に何があるんだって感じです。


・・・歯科大の先生と連絡が取れません。月曜に予約取り直し。
型取りから作り直さねばならないらしい。作って2ヶ月弱。
慣れてきたので、これで生活しようとインプラント科の先生とお話して、
3日後に肝心要の「歯」を失くすなんて。それも、病院で。
笑い話にしかなりゃしません。
胃カメラ時、パイプ加える前に、透明ビニールの袋に入れたまま、
部屋に持ち帰っていればよかった。
もとい、朝寝坊して遅刻する! と思った瞬間、1本だけの歯を
律儀に入れることなく、家に忘れてくれば良かった!


落ち込み続ける私の脳裏に、朝寝坊した時に見ていた夢が蘇ってきた。
運転しながらすれ違うとき、2台の車と接触事故を起こした、
縁起でもない夢だった。正夢だったの? 
義歯を紛失、時計は破損。正夢だったの?
もはや、「愛用の品は、私の身代わりになってくれたのだ」と思って、
泣き泣き諦めるしかありません・・・。


唯一の慰めは食堂のノートパソコンのみ。
(接続は23時をもってアクセスできない設定ですが)
それはさておき、ボロボロになった私を隣の市から
大学時代の友人が仕事帰りに「面会」に来てくれました。
彼女は1月の人間ドックを帝国ホテルで、ルームサービスでお食事して、
命の洗濯して過ごしたそうです。ううううう。
月々片手分以上のお給料が減額されている、世知辛い雇用情勢の今、
そんな余裕は・・・。
でも、友人はありがたい。差し入れを持ってきてくれました。
絶飲食の時間指定までに食べればいいよね。
シュークリームとりんごジュースでささやかに気分直し。


眠れません。眠れません。ねむれますぇん。
食堂で孤独にTVに向かっている御大が。
飲めないと眠れないとのこと。
4人部屋で気を使うとのこと。同じですね・・・。
せめて、22時からのTVで気分転換いたしましょう。
何と言っても「手塚治虫」の特集ですからね。
本日、これだけが心の慰めでございます。
ご愁傷様の、1日目、散々でした。

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