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堺刃物まつり

娘をなかもず駅でピックアップ。本日、こちら「じばしん南大阪」こと、
財団法人堺市産業振興センターで、堺刃物まつりが行われた。
はや22回目だというが、今回初めて。
近隣の行事とはいえ接する機会も無く、「昔調べ」が冬休みの宿題だった娘に、
大阪南部の大都市、堺の地場産業を知って貰ういい機会、更に
古式鍛錬(火づくり)実演、包丁を鍛える様子を見せたいと思った。


昨日出張に出向く際、駅でポスターを見かけて、即決。
明日はこれだ! 各種刃物の展示即売、刃物製造工程の実演、
刃物クリニック(研ぎ直し)オールニッポンナイフショー、
その他、蕎麦打ち・餅つき・生鮮食料品販売コーナーと楽しい。
地場産業のお香、堺の銘菓、浴衣地の布巾なども即売。
(堺の浴衣についてはこちらを→


刃物類ばかり展示されていると思ったら、地元の工業高校の作品、
小学生の作品、似顔絵コーナー、葉っぱで作るバッタコーナー、
魚の捌き方教室(事前申し込みが必要)、魚の捌き方実演コーナー、
踊りやマジック、チアガールの演技など、至れり尽くせりで、
老若男女、こんなに賑わうお祭りとは知らなかった新参者の私達、
駐車場満車、1時間ほど出遅れた止める隙間もない。

 

コインパークに車を預け、まずは冷え切った体を、蟹汁で暖める。
それから熱気むんむんの会場に入った。包丁は普通のもの、
肉でも野菜でも切るヘンケル、果物ナイフの大きさだけれど、
持ちやすいので使っているセラミック、家人が使っていた野菜包丁、
我が家の包丁はそれだけ。お刺身用の柳刃だなんてとんでもないの、
呆れた刃物状況。ま、これでも十分料理は作れます。はい。


堺の刃物の歴史をコンパクトに展示していた。
興味のある方はこちら、堺刃物商工業共同組合へどうぞ。
私自身も娘共々、社会の勉強を兼ねて近隣の産業を学ぶために、機会を設けて
伝統産業会館(堺HAMONOミュージアム)へも足を運んでみようと思います。
さて、本日の会場では・・・。


 


 


どうしても食い気に走る私達は、蟹汁を皮切りに、蛸飯を買い、
会場内部の蕎麦をたいらげ、林檎の皮むき競争に夫婦でチャレンジ。
1分間で80センチでは優勝できません、1メートル以上剥けないと。
参加賞の貝の形の缶切りと。剥いた林檎1個頂きデザートに。
家人の包丁は研ぎ直し中、包丁に銘を入れる作業、柄を付ける作業、
包丁を研ぐ様子を拝見。娘は機械で研ぐのに興味津々。
少しずつ水が落ちてきて、丸い砥石がぐるぐる轆轤のように回転。
なるほどなあ、と思わず見入ってしまう。

 


おまけに砥石といっても、あんなに沢山の種類があろうとは。
砥石の色の美しさにも、刃物によって使い分ける繊細さにも、
知識では知っていても、実際目にすることのない世界にびっくり。
そして、宝石・輝石、皮革・鹿の角、鮫皮・を用い、細工を凝らした
素晴らしいナイフの数々。生まれて初めて見る大量の刃物の、
こういう世界があったのかという素晴らしさに驚嘆。





石器ナイフの美しさにも通じる、神経の行き届いた手仕事の見事さ。
それぞれの作り手のコンセプト、イメージする世界、技術、
片手に収まるような小さな刃物にも、日本工芸の技術が生かされ、
それこそしのぎを削る世界で、切磋琢磨、互いの作品を展示。
どれもこれも素晴らしいナイフ。日本にこういうはものがあろうとは。
まるで、外国の博物館で展示品を見るような雰囲気。
それを手に取れる至近距離で間近に見られるなんて・・・。
(もっともガードマンがさりげなく控えている展示会場です)




ナイフを使うのではなく(護身用として持っていても使いこなせないし、
使うような怖い状況、嫌ですものね)、コレクションとして持って置きたい。
そういう気持ちにさせられる作品がずらり。
かつて刀剣に興味を持っていた父に連れられ、あちこち連れ回された、
子どもの頃を思い出した。そういえば、わけもわからず鍔(つば)や、
鞘まで見ていたあの頃、あれも日本の誇る刃物だった。


刀鍛冶の仕事、包丁も同じ刃物。娘は古式鍛錬を見てどう思ったかな。
古式ゆかしい雰囲気、ふいごで火をおこし、3人の息がぴったり合わないと、
一つの刃物を鍛えられない、この儀式にも似た工程を見せて頂き、
娘は何を感じたかな。


本日、「石のはんこで遊び印づくり」に親子で参加、初篆刻体験。
娘は葉っぱで作った蛙・バッタ・とんぼ・エンゼルフィッシュを頂き大満足。
私は記念に似顔絵を描いて貰った。
昼前から夕方まで、初めて訪れた「じばしん南大阪」堺刃物まつり。
翌日日曜日はマグロの解体ショーや即売、
中国料理研究家 程一彦さんのトークショーもあるとのこと。
前もって予定があったので、残念。これは諦め、またの機会に。
家族で堪能、堺刃物まつり。楽しい1日でした。

包丁と砥石 (柴田ブックス)

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打刃物職人―手道具を産み出す鉄の匠たち (ワールド・ムック (467))

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