Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

あれ?と思うこと

朝、見知らぬメンバーでというか、
昨日作られたばかりのチームで仕事をしているというのが、変。
変というか不思議。新鮮と言うべきか。
あれ? あれ? いい意味での違和感。
朝、見知らぬ人というよりも、見慣れぬ人が挨拶してくる。
今まで知らなかった人の聞きなれぬ声。
その思いもかけないさわやかさに、少し心癒されて、朝。


新しい名前、新しい顔、新しい人との繋がり、そんな朝。
心はここに無いままに、もやもやと形作られていく今日。
過ぎていく時間。何? これは? この感覚は?
山のような書類を点検しながら、記入漏れを直して、
耳にする声、目にする顔、全てがついこの間までと違う。
部屋の配置、机の場所、居場所、隣の籍前後左右、
何もかもが変わってしまって、それで自分がここにいる不思議。
それが昨日今日の仕事場に関する感慨。


新聞やニュースでは、中学生の担任に対する不満が、
「先生を流産させる会」なるものを結成させて、
椅子のねじを緩めたり、車に細工をしたり、
給食に明礬を混ぜたりという話題。
この手のニュースは一度聞くと頭から離れない。
20年以上も昔、知り合いが妊娠中に職場である高校で注意をした生徒から
「腹蹴ったるぞ」と言われ、仕事に行けなくなったことを思い出す。
新学期早々嫌なニュースが流れているなあと落ち込む。
久しぶりに思い出す、その出来事。


命の危険を感じながら職務を全うするような時代ではないと、
ほざくやからの多い今なのに、不平不満があれば平気で「流産させる会」。
これが中学生のすること。実行したこと。
私には北朝鮮テポドンよりも怖い。脅し文句ではなく、
相手に対して害になることを実行している中学生の方が、怖い。
ちなみに20年前の暴言を吐いた高校生は、停学から退学になった。
他の女性教員も授業に行けない状態に追い込まれたからだ。
「子供の命まで危険にさらして仕事は出来ない」と。


今時の中学生は、どのような処分になるのだろう。
事の大きさがわからない年齢ではないのだから、
私の感覚からすると、殺人未遂を適用してもいいくらい。
相手の心身どころか母子共々を傷つけようとした、
悪意・作為行動がはっきりしていて説諭だけでは埒が明かない。
「流産」が何を意味するのか、「妊娠・出産」がどういうものなのか、
わからない年齢ではあるまいに。
結果的には何も起こらなかったから、情状酌量なんかにして欲しくない。
それほど感情的にならざるを得ないニュース。


こういうことをする子供達は、自分がどんなふうに生まれて来たか、
全くわからずにこの年まで来ているのだろうと恐ろしくなる。
安心して赤ちゃんが産めないと話題になっている昨今、
生活の不平不満で人の命を奪う事も辞さない集団が、横行しているイメージ。
末世末法の時代。命の尊厳は家でも学校でも教えきれていない証拠。
ぞっとするニュースに粟立ちながら、先週から今週に移り変わり・・・。


久しぶりに娘の習い事のママ友達に夕飯お呼ばれ。
そこで聞いた話―延々お受験と離婚、目減りするお給料、カットされるボーナス、
久しぶりに週刊誌並みのゴシップ記事満載のお喋り。

町内会のすべてが解る!「疑問」「難問」100問100答―防犯・防災から快適なまちづくりまで

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ゴシップ的日本語論 (文春文庫)

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実は久しぶりだったことがまだある。
あれ? と思ったことが。まず、道に迷った。
久しぶりといっても1年も間が空いたわけではないのに、
その家に行くまでにどうしても道がわからない。
運転して行き過ぎて、似たような家が立ち並ぶ住宅街をぐるぐる回った。
新しい家が建ち、景観がすっかり変わっていたせいもある。
たそがれ時の逢う魔が時で、夕闇に取り紛れたせいもある。


道に迷う感覚。あれ? と感じるこの感覚。
久しぶりに本当に道に迷ってしまったこのことは、
私自身がどうしていいかわからずにいることを暗示している。
色んな意味で、自分の事も親の事も娘の事も。
ママ友達のお付き合いは、知らない情報が入ってくる事もあれば、
見ざる聞かざる言わざるの世界に踏み込むことにもなる。


あれ? 世間ってこういうものだったの?
あれ? 親子ってこういうものだったの?
あれ? 夫婦ってこういうものだったの?
習い事って、お受験って、こういうものだったの?
あれ? あれ? あれ? そんな思いの連続。
相手から見れば、私は本当に何も知らないように見えるだろう。


公立に子供を入れるなんて、どういうつもり?
塾にお金をかけないなんて、どういうつもり?
外食も出来ないくらい給料もカットされて、
家の繰り上げ返済で貯金も無いのにボーナスもカットされて、
〜の離婚が、〜の言うことが、〜が連休の予定で、
延々と話される話題に相槌を打ちながら、考える。
どこで切り上げればいいのだろうと、時計を見る。


あれ? この構図って記事を読みに来てくださった人に、
あら、まあ、今日の話題も愚痴だわーと思いながらも
付き合ってもらっている、この構図に似ていますね。
毎度毎度、申し訳ありません。
最近、鬱々とした愚痴ばかりが話題に増えてしまって。
結局自分のそういう気持ちにばかり目が行っているのでしょうが。
そういうわけで、たまに逆の立場になるとあれ? ですよね。
どうしてこうなるの、こんな話ばかりで、あれ?って。
但し、パソコンは自分の意思で閉じられても、
目の前のお喋りはシャットダウンできない。


微妙な顔をしながらお友達と遊んでいる娘との帰り道、
「私からもう遊ぶの帰るって言った方が良かった?
 もしかして、私が『鍵』だった?」と訊かれた。
本当その通り。君のお友達を失くしたくないし、
かといって全面的にお受験の話には付き合えないし。
困ったねえ・・・。
久しぶりのお呼ばれなのに、「あれ?」の連続。
受験に合わせて生活するのが親の役目なんだから、
塾を紹介して欲しかったら言ってよ! とせっつかれながら
あれ? あれ? の連続。


私の本音はね、娘を塾に入れて勉強させるより、
帰宅した娘のそばにいて、のんびりしたい。
娘の弾くピアノを聴いたり、勉強している傍らで本を読んだり、
片付けものしたり・・・。それが親の我侭な贅沢で、
子供の未来を奪う何物でもないと言われるのなら・・・。
子供の旬を過ぎて駆け抜けていこうとする娘のそばに居る、
親の役割は何なのだろうと思ってしまう。
ああ、孟母三遷にもなれず、ただただ盲目的に娘の側に居たいのか。
我ながら、困った親だなあ。


娘に老母の状態を側で見せつつ、
「お母さんも年を取ったらあんなふうになるの?」と言われながら、
生活することの意味を、哀しく振り返りつつ、あれ?
でも、これが本当に生活するってことではないのと思う。
娘に甘えて生きているのは、私の方なのか?
あれ? 困ったなあ。 
こちらのようにきりりと哲学のある子育てがしたいものだが。

母と娘の協奏曲

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“私”はなぜカウンセリングを受けたのか―「いい人、やめた!」母と娘の挑戦

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