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猿の惑星 ジェネシス 

創世記。この言葉の響きに思春期は憧れたものだった。
自分の好きなロック・グループの一つが「ジェネシス」なので、
映画の題名で、それも「猿の惑星」シリーズの中で
余り同じ言葉で聞きたくないのだけれど、
そんな気持ちを家人が知るはずもなく、誘われて出向いた昨日。


何故か体中節々が痛く、特に肩から腕に掛けて痛みと痺れ。
完全に頸肩腕症候群の様相を呈している状態。
何をしたんだ、私? しばらくならなかったのに。
というか、気をつけてきていたのに。
連休初日、爽やかな秋晴れの元、中国茶会を楽しめたのに。
翌日せっせと家事にいそしんだ、普段と違うペースで動いたのが、
そんなに悪かったのか。どれほど家事を溜め込んでいたんだ、私?


「何か悪いものでも食べたのか、私?」と自分で自分を疑うくらい、
体の調子が悪い。どこか骨が一本ずれているような、そんな感覚。
寝違えというものがあって、首が突然曲がらなくなるが、
体全体そんなふうにどこかずれて動かない。そういう感じ。
いやあ、参った。


それにしても、二匹目の泥鰌じゃないが、
それほど魅力的なテーマなんだろうか、「猿の惑星」。
このシリーズを見たのは小学校の時。
それ以来、第一作の代表的なキャラクターが出ている分は見てきたが、
今回、これが事の発端、ジェネシスだと言われても、
名作とうたわれた旧作シリーズとの繋がりが見えない。
進化した撮影装置を使ってみたかった、そんな意図、見え見え。

猿の惑星 (創元SF文庫)

猿の惑星 (創元SF文庫)


おまけに子役としてデビューしたものの、ハリポタの悪役で
何だかぱっとした役どころが来ないトム・フェルトンが、
またまた汚れ役で、何だかかわいそうなくらい。
それにお猿さんが賢くなったのは、人体実験ならぬ、
動物実験の賜物で、いわゆる新薬開発のための過程。
アルツハイマー治療薬」がきっかけというから、笑えない。
売れるものを作れという会社のありようも、
人間(父)の老化を受け入れることが出来ない研究者(息子)の研究。
よかれと思って行動し、空回り。負の連鎖。
その結果、人間だけを殺すウィルス蔓延という、
これまた笑えない結末。


旧シリーズの時はそれなりに感動し、人間について
文明、発達、未来、様々なことを考えさせられた。
当時、思春期だっただけに印象深い作品だったが・・・。
今回この作品を見て、若い世代、思春期の人間が、
人間の未来について深々と考えるだろうかと、少々疑問。
余りにも単純化された人間と猿との対立、動物支配の構図。
何だかすっきりしない。見た後の後味の悪さ。
動物ではなくて、みんな人間が演じて製作・合成された画面。


技術としては稚拙だったとしても、20世紀の作品、
以前の作品が切なく恋しく思い出されたのは、単なる感傷?
家人はそれなりに面白かったようだが、体調芳しくない私は、
今ひとつ気分が悪いまま、見終わって帰宅。
体調が悪かったから楽しくなかった?
いや、そうじゃない。


とにかくジェネシス、創世記。
宣伝でも使われているけれど、「人類への警鐘」ねえ・・・。
ワープロで打つと継承や敬称が真っ先に出てくることが皮肉)
新しい時代が始めるのは、人間が滅ぶことが前提だなんて。
この言葉をこんな風に使って欲しくなかった。
人を、動物を、生きとし生けるものを哀しくさせる、
そんな形の物語として。