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シャーロック・ホームズの冒険 シャドウゲーム

小学生の娘と、夕方から二人きりで映画を見るのはこれが最後?
何しろ明後日は卒業式なのだから。
二人で以前から約束していた『シャーロック・ホームズの冒険
シリーズ2作目の「影の戦い」を観る。
本当はじっくりオリジナルの推理小説を味わって欲しいのだけれど、
21世紀の小学生には難しいことなのだろうか。
ビジュアルから文字の世界に戻って貰わないといけないのか、
少々複雑な心境ではあるが、致し方ない。


副題が車道ゲーム、いや、「シャドウゲーム」。
ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生し、
(何だかこの導入が、テロ阻止こそ世界に必要な危機管理と
意思統一みたいな前振りがワンパターンではあるが)
ホームズは天才数学者で作家のモリアーティ教授こそが黒幕だと推理、
というヒーローだけが悪を見抜いているという設定。


余りにも漫画的、劇画的な設定が映画になっているので、
文字で原作を(無論翻訳だが)読んだ世代の人間、
なおかつNHKで何度も再放送していたホームズの名シリーズ、
ジェレミー・ブレット主演の作品の印象が余りに強いため、
ロバート・ダウニー・Jr主演のホームズは、余りに荒唐無稽、
ホームズは女性にだらしないのか? と、がっかりさせられる。
加えて知性的で沈着冷静ながらも心優しい医師、
ワトソン役がジュード・ロウなのも何だか・・・。
ガンガンに行け行けどんどん的な武闘派に設定されている。


ホームズファンにとってはモリアーティ教授を敵役にするのは、
当たり前といえば当たり前なのだが、
それでもこういう展開、小道具、設定、何もかも、
見ているだけで疲れてしまうのは、年のせい?

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若い人向けアクションものに作るにもほどがある演出で、
呆れるを通り越して、まあ、すきにやれれば、
製作者の勝手でしょ(カラスの勝手的)の気持ちで見ないと、
何だかこのお祭り騒ぎは辛い、付いて行くのがしんどい展開。


面白かったといえばいいのか、楽しかったといえばいいのか、
巨額の費用と時間を費やして超大作に見せかけているけれど、
見ている人間に何が残るのかなあという娯楽もの、
それに気分がすっきりしない、スカッとした勧善懲悪ではない展開、
何匹目かの泥鰌を狙っているのがありありとわかる、エンディング。
いつでもどこでもの続編狙いの伏線を敷いた映画作りには、
ちょいとばかり辟易とさせられることが増えてきた。
続編が楽しみだ、という内容の映画というよりも、
続編を作らせてくれという意図がミエミエで、情けない。


そんなことを考えさせられる映画で、気持ちよく楽しむというより、
単純にあられもないドンパチの展開を楽しむ娘に付き合った感じ。
もう少し中身のある映画をじっくりと楽しみたいなあと思いつつ、
今の年齢の娘が見たいと思った映画を付き合うのも、
親の役目かとも思いつつ、ちょっと複雑な心境。
でも、冷静になってよく考えてみれば、
親の見たい映画に結構娘をつき合わせて来たか?


シャドウゲーム。その意味を深読みするか、
何と重ね合わせるか、少々考えてみたくなるかーちゃん。
現実でも、物語の中でも見えないところで動くもの、
見えないように隠れて動いているもの、
見たくても見えないもの、そういうものがうごめいている。
だから、映画よりも言葉の響きにあれこれと考えてみたくなる、
そんなかーちゃん。

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シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラック

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