Festina Lente2

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桜を散らす雨

昨日から大雨が降り、無情にも桜は散らされた・・・。
といっても今年は花が遅かったので、予想よりは頑張っているか。
いずれにせよ、あっけなく散らされてしまった感も。


桜は散る姿も愛でられる花なので、それはそれで本分かもしれないが、
無残に散り敷く様子を見せられる方は、それはそれで哀しい。
マンホールの模様の上に降り積もるように桜の花びら。
道の片隅に固められて、花びらが散るどころか花ごと落ちて・・・。
そんな様子を見ながら、花の人生も楽ではないねと思ったり。


満開になった途端に春の嵐。昨日自分の気持ちにシンクロするように、
新年度鬱と寄り添うように、雨雨雨。
まあ、心の中を洗い流してくれたと思えばいいか。
想い出は桜が咲いて散るが如く、
潔く心の中から消えて行きはしないのだけれど。


花に嵐のたとえもあるさ、さよならだけが人生だと
誰か詩に詠んでいたよね。
そんな風に達観できない年齢の私、頭では分かっていても。
そして、この新年度は新しいことをやるぞーという
若者めいた気持ちの張りよりも、同じことが続く、
予想される問題も見える、それをかいくぐって事を運ぶ、
その煩雑さや鬱陶しさが見えていて、
レコードの古傷や傷んだ溝をこするが如く、
(今の若い人にはわからない例えか)
哀しい気持ちだけがほろほろと広がっていく。


やり切れなかったこと、積み残したこと、似たようなことが繰り返され、
毎日が積み重なる仕事の現場に埋もれていく自分の人生が、
これで終わり、このまま終点まで運ばれる、
そんなことがあっていいのかと、入れ替わる人事を眺めながら、
鬱々と過ぎていく今週。
去る者は日々に疎し、されど去られる側は…。
新天地に仕事人生の最後の?希望を持って、異動していける人はいい。
けれど…。


そんなことをぐるぐる考えながら、散った桜にばかり目が行く私。
娘のように咲き誇る時期の桜は、私には眩しすぎてみるのが辛い、
そんな年齢になってきたのか。
咲き誇る先を見るのが、そこばかりに目が行ってしまうのは、
年齢のなせる技なのか。
今の状況なのか。
…。

サクラ・さくら・桜 (ブティック・ムックno.992)

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桜のいのち庭のこころ (ちくま文庫)

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