お土産は写真の中 - Festina Lente2

買ってはいけないと思うものは多々あれど、お土産はその最たるもの。
「お土産だから、思い出だから」と、それをナントカの印籠の如く、
自分への言い訳にして、溜め込むばかりで使わないものを買う。
これが1年に10個ほどでも10年経てば100個になるわけで･･･。

その例が、クリアファイル。最近のクリアファイルはデザインも色も綺麗。
昔、ルーズリーフだった頃に多用できれば良かったかも知れない。
定年を見据えて仕事しているのだから、書類も整理して捨てよう、
残すのは辞めよう、ノートも本も、紙類はかさばっていけない、
そう思う一方で、クリアファイルを見た途端に買っている。
ノート一冊よりも高いクリアファイルだというのに･･･。

数々の美術展のカタログ、チラシ、カラーが綺麗だからとしまい、
クリアファイルも買い、気に入った絵はがきを買い、
メモ帳や付箋紙にも目が行き、おいおいおいおい、
際限なく文房具増えているよ。しまい込んでいては実用品も非実用的。
栞にマグネット、ボールペンに･･･。
最近ではストラップも欲しくて仕方がない。しかし、どこに付ける？

この連休前半では、大神社展のストラップも2種類、クリアファイルももちろん、
栞も･･･何もかも買い揃えて。鎌倉ではさすがに御守り程度で済んだが、
肝心の鳩神籤を引きそびれ、家人の引き当てた鳩根付けを所望する始末。
そう、欲しいのは旅の思い出ばかりではなくよすがとなるもの。
そして、旅の思い出の味。

サイダーもビールも、甘味処によることも出来ずに立ち食いの饅頭も、
何もかも楽しい思い出の一コマ。作っている機械、蒸している蒸籠、
老舗の菓子屋本店の看板からお土産袋、本店限定のグッズまで、
あれもこれも欲しくなるのはさすがに「養いがたい女子」の性（さが）なのか。

家族の呆れ顔そっちのけで、
鳩マークのお菓子とグッズを手に入れる為並ぶひととき。
どこででも買える、それを言っちゃおしまいよ。
「ここ」で買って帰りたいんです。

鳩の形をしたストラップ、鳩の形のクリップ、そういうものを使うのか？
実際に使うのか？　しまい込んで眺めるだけになるのでは？
そう思いつつも、買わずにはいられない、細々としたもの達。
胃袋に入って消えていくものに比べたら、なんとまあ、
煩悩の塊、消費欲の行きつく所、我執妄執、
一時の感情のアラシに押し流されて、買い集めてしまう思い出のお土産、
お土産の思い出、鶏が先か、卵が先かの世界。