かぐや姫の物語 - Festina Lente2

ジブリだから話題にもなるだろうが、これが無名の若手の監督が作る映画だとしたら、
これだけの集客数を上げることが出来るだろうか。
TVやその他のメディアで上映前から取り上げられ、話題にされることが？

友人の勧める「かぐや姫の物語」を観に行く。
そろそろシーズンも終わりだろうし、1週間前の憂鬱な日の厄落としに。
前半の子育ての部分は面白かったが、後半はだるくて居眠り。

画風は「アリエッタ」よりも随分良いけれど、
それはバック、背景を描く男鹿さんが優れているから。
音響が優れているから。ストーリー自体はだるかった。

それに高校生ぐらいの若い人たちが、
「かぐや姫」ってこういう話だったんだね、
観て良かった、『竹取物語』の原文を読むのが楽しみだ、
何て話しているのを耳にすると、唖然とする。

いやいやいや、違うでしょ。
これは、アニメ風に書き直された話。原文とはまた別。
ごっちゃにしない。
漫画は本当に罪作りだなあ。
興味関心を持たせるのと、話の内容がこうだと思わせるのとは違う。

最近のアニメの画風は好きではないけれど、
決して昔が優れていたというわけではない。
技術も進んだ、だからこそ可能になった部分が沢山あるのはわかる。
でも、これがそんなに斬新で心打たれる物語かと言われると、ちっとも。
もう、年を取って感受性が枯渇しているから？

恋愛も、仕事も、子育ても、それなりにこなしてきたから？
かぐや姫のような特別な美しさも魅力も関係無いから？
帰る月の世界も持たないし、ただの人間だから？
とにかく、ジブリアニメの話題作でなければ、注目しなかっただろう、
そう思ってしまう。
ブランド商品ってこんなものか、かぐや姫ってこう、解釈されるのか、
ふーんって感じだった。

ある意味、娘が興味を持たないのも、わかったような気がした。