Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

初日、シュレック3

ネタばれ注意。とにかく、初日からシュレック3だ。
朝もはよから家事をこなし、家族をせっつき、朝一の吹き替え。
シュレックの残席、28が点滅する。まん前のかぶり付き。
こんな所で見る羽目になろうとは、シュレック3。
でも、販促グッズのサービス品、シュレックのサンバイザーを
配っているお姉さんは優しいし、着ぐるみシュレックも優しい。
娘は一杯握手をしてもらってご満悦。


着席すれば、子供向けのCMフィルム。やっと終われば・・・、
お懐かしい緑色のシュレックとフィオナ姫。
お懐かしい、それが今回のキーワードかも。
ともすれば、ディズニーに敬意を表しながらも、
キャラクター使用独占利益の為に、
著作権を死後50年から70年に引き伸ばした云々を
皮肉りたかったのかと思うくらいの内容。


おとぎの国の住人たちは従来のアイデンティティの崩壊、
もしくは改竄、いや改変を求められているというか何というか。
とにかく今までの自分であってはならない、
今のままであってはいけない、新たな自分を見出す、
もしくは本来の自分を見出すべき、又は創るべきだと
せっつかれているかのような感じを受ける。


そう、ミッションは何か自覚せよ! と
怪しげな集団催眠に掛けようとしているのか、チャーミング王子。
自分のマザコンを治す前に、他人の幸せを羨み、
周囲を引っ掻き回す、境界性人格にも似た芝居がかった生活、
いい加減に止めろよ、と言いたくなるような展開。


本来の自分を見出すべく悪戦苦闘、いや、それは、
単に現実を把握できていないだけ。
いつの日か白馬の王子様が現れて、幸せになる?
シンデレラ・コンプレックスならぬ、
自分こそが本当の王子だ症候群。
幼児期に「橋の下で貰われてきた子」だと脅されていないだけましか?
妖精のゴッド・マザーの魔法のお陰で、実力が無いまま育ち・・・。
本来ならば自分は「貴種」であって、「流離譚」の変形とばかり
「仮の姿(本来)」の大根役者を演じ続ける、チャーミング王子。
いやあ・・・、凄いね。


お姫様たちは、いつまでもお姫様ではいられない。
歌声の代わりに雄叫び、優雅な仕草の代わりに頭突き蹴り上げ。
王国の混乱を見ずに死んでいった、蛙の王様が一番幸せ。
順当に本来の姿で亡くなったものね。
名君アーサーが、ランスロットに王妃グィネヴィアを寝取られた
下世話な構図を逆手に取った、アーサーの負け犬ぶりと、
ノイローゼの魔術師マーリン先生のお馬鹿加減が見事。


精神分析やメンタルトレーニングに明け暮れる、
セレブなステータス重視のアメリカ。
もしくは外国に戦争を仕掛けながら、
本当は悪人ではいたくないと魂が叫んでいるとでも?
視野を得られない悪役一つ目鬼でさえも、
「こんないい娘を授かって」と子供に頬ずりすれば、
鬼にも子供がいるんだ、と周囲をホロリとさせる。
古典的なテクニックで、物事を煙に巻き、問題をすり替え、
口先八丁で何とか丸く治めればどうにかなる、ドタバタの典型。
シュレック3・・・。面白くなかった。


映画の日でもないのに、明日まで待てば安いのに、
初日から、早々にお待ち兼ねの「シュレック
2が1よりも面白かったので、ちょっと期待していたのに。
クッキーマンのフラッシュバックを見た時点で
子供映画には相応しくない表現に、違和感。
何だか変だなあ、この展開と思っていたら、
どんどんおかしくなる、物語。


どっかのブログで「シュレックは2までで、
ネタを使い切っちゃったんだ」と書かれていたが同感。
父親になるのが怖くて、夢でうなされるシュレック
揺らぐ王国の基盤と、そこに付け込む悪者、
苦労するヒロイン、流浪するヒーローは定番。
ファンタジーのその後を追及するというのは、
昨今の実写映画や、心理学・ジェンダーでも流行だったが、
それを同様にアニメ映画でやられても・・・。


シュレックが「王様なんか」「わいは怪物やで」と
関西弁でぼやく度に、本来このぼやきは、
仕事を全うさせるための息抜きガス抜きに使う言葉であって、
本当に「ケツをまくる」為に使う台詞とちゃう!と
心の中で突っ込んでしまう私も私なのだが。


40代以上には懐かしい、挿入音楽が唯一楽しくて、
蛙の王様の葬儀シーン、「死ぬのは奴らだ
白雪姫戦闘シーン、「移民の歌」なんかは、
懐メロ・ロックで思わず笑えた。
マッカートニーもツェッペリンも苦笑いだろう。


それに、ここに出てくるキャラクターを、
きちんとわかる親子はどれくらいいることか?
ラプンツェルを「髪長姫」を日本語訳をしているようじゃ、
イメージはいま1つだ。もちろん「白雪姫」は
スノーホワイトにする必要は無いのだが。


いじめもナンパも裏切りも、
今時の若い子の訳わからないしゃべくりも、
吹き替えの中に全部入れようとし過ぎた余り、
子供映画には相応しくない、場の雰囲気。
意図的に臨場感をを作りたかったのは、察して余りあるが。


ま、笑って見ている人も多かったけれど、
小さなお子様向きじゃなかったな。
シュレック世代はそれなりに成長しているから、
それでもいいのかもしれないけれど・・・。
何だかなあ。続編ものって、大変だ。
見る方も作る方も。
シュレックも、その例外ではなかったってことか。

シュレック

シュレック

シュレック2

シュレック2

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