Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

「私」を動かすものは

色々やりたいことや学びたいことがあって、週末は結構忙しい。
講義を受けているだけではアマチュアの学びだ、
インプットよりアウトプットだと言われようと、
実習が伴ったりCR(consciousness raising)的に
話が深まってくると、必要以上に疲れる。
バランスを取るためにも距離を置く必要を感じる。
マチュア以上専門家未満の弱さが露呈する瞬間。
自分の「現場」を守るためにも、中心はぶれさせない。
これが最低条件。職場と家庭。この二つの現場を。


何もかもが繋がっているのだから、連動しているのだから。
わかっていても、体力的なもの精神的なもの、
澱(おり)のように溜まってくるものに、抗いがたく、
淀んでいく自分を感じる時。利己的になる時。
独りにしておいてほしい時。Leave me alone…
親でもない子でもない、妻・母・娘でもない、
私だけにして、私だけに。
そんな気持ちになる時。
自分の心の中に、様々な迷いがあって、思うように動けない時。


大好きな勉強、大事な研修。大切な時間とわかっていても、
私が私をコントロールするのは難しい時がある。
自分をマネジメントする、どころのレベルではなく。
それは自分の無意識、自分の中の抵抗、子供染みた反抗、
馬鹿馬鹿しいくらい原始的な反応、
そういうものに翻弄される。
「私」を動かすことは・・・大変。


・・・道に迷う。本気で道に迷う。目的地に着けなくなる。
見えない手に目を塞がれているかのように。
地図が新しく塗り変わってしまったかのように。
何度も乗り降りする駅を乗り過ごし、気が付けば全く違う道、
見知らぬ町角、私は途方に暮れる。
約束の時間、予定、考えていたこと、何もできはしない。

もう一人の自分を、君に今日会わせたい

もう一人の自分を、君に今日会わせたい

光村ライブラリー〈第2巻〉空いろのたね ほか

光村ライブラリー〈第2巻〉空いろのたね ほか


「どうして一緒に遊びに出かけないの」「今日も勉強?」
そんなふうに娘に問い掛けられると辛い。
子供の旬は短い、それは良くわかっているのに、
かーちゃんは君ととーちゃんを置いて、休みの日でも出かけてしまう。
遊びに行かずに別のことをしている。
不満、つまらない、どうして、寂しい、面白くない。
そうだよね、そう感じて当たり前。でも、わかってほしい。


何と説明すればいいのだろう。かーちゃんが単純に
資格・仕事絡みだけで、動いている訳ではないことを。
自分の生活、仕事、感じていること、やりたいこと、
しなければならないこと、色んな事から距離を取るのが難しい為に、
あれこれと迷いながら生きていること。
何と説明すればいいのだろう。

ホノルルのマラソンを走り切った仲間の話を聞きながら、
自分の心の中のマラソンは、先が見えないとちらりと思う。
でも、それを言い出したら誰だってそうだからと、思い直す。
今日聞いた内容を思い返しながら、自分に問い掛ける。
「相手を何者として扱うかによって、相手の人生が変わる」
それはそのまま、自分自身にも当てはまる。
「自分を何者として扱うかによって、自分の人生が変わる」


それは、自分自身が決めること。
不一致を起こしていては、充実感は得られない。
それは、わかりきっていること。
自分の価値を高めるために、今ここに、来ているのではないのか?
それは、相手にとっても同じことではないのか。


今弱っている人は、たまたまそういう状況にあるだけ。
弱い人間なのではなく、そういう辛い状況にあるということ。
そして、それは自分自身にも当てはまるのではないのか。
決して自分は弱い人間に見られたくはないし、扱われたくはない。
しかし、心が弱ることはあるし、現実に疲れることもある。
それを、「できない」「弱い」で片付けられて一般化され、
落ちこぼれ扱いにされるのは、不本意だと感じるならば、
誰に対してもそうではないのか。


ならば今、自分は自分をどう扱いたいのか。
     自分をどのように遇したいのか。
自分自身の真意を測りかねて、自分に問い掛ける。
人の話に感動し涙しながらも、もう一人の私は氷のように冷たい。
私の外の時間と中の時間は、全く違う速度で流れていて、
外の私と中の私が分裂しているように、せめぎ合う。

 

意を凝らした飾り付け、心尽くしのお料理をつまみながら、
心に浮かぶのは貴方の姿、娘の姿、そして自分ではない自分の姿。
私の見知らぬ私の姿。私が得ることのできなかった、もう一人の自分。
もう一人どころか、永遠に得難い何人もの自分自身。
その何人もの自分と家族との距離を取ってまでして、
今ここにある自分を動かしているものは何なのか、
答を出せずにいる自分がいる。

知的な距離感

知的な距離感