Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ウィスキーがお好きでしょ

ウィスキーがお好きでしょ ♪
今日は丸1日仕事とハードな研修の後、わざわざ大阪市内まで。
1ヶ月も前から楽しみにしていたナカノシマ大学。

  


だって、あの中央電気倶楽部の食堂で(一般人は入れない)
ウィスキーのティスティング講座があったんですもの。
何しろ、憧れのサントリー山崎蒸溜所から、品質ジェネラルマネージャー
福士收氏が直々にお出ましになると聞き。

  


月に一度のナカノシマ大学の講座は、大阪の由緒ある建物で、
それぞれ趣き異なる薀蓄のあるお話を聞けるのが魅力。
今回はウィスキーの話題。下戸の家人は最近やっとお酒に目覚め、
本日は夫婦でお酒の講義に参加という運びとなった。
ウエルカムコーヒーの後、パワーポイントを眺めながら
マッカランボウモア、山崎12年と白州12年4つを飲み比べ。
(いきなり比べるのではなく、お話を聞きながら順々に)

  


予想以上に薀蓄ある講義が聴けて、楽しかった。
(あらかじめ酔わないように、菓子パンを電車内で齧って、
すきっ腹にアルコールが回らないように注意していた私)
フルタイムの仕事を終えて後、市内に出向くのは大変だが、
人間何事も目の前に人参をぶら下げて走らなければね。
昨日は出張、今日は研修、そのあとの息抜きとなるこの講座。

  


ウィスキーは蒸留酒のため低カロリー、糖質ゼロ、
プリン体は少なく、ポリフェノールが含まれ、
アロマ作用でリラックスが出来、メラニン色素抑制成分まであると
いいことづくめだとの前宣伝が入った上で、本論に。
専門家として小難しく語るのではなく、ユーモアたっぷり。
会場は上品でアットホームな興味津々の面々、最初から盛り上がる。


香りを楽しみつつ、舌が麻痺しないよう水で口を洗い、
(これもサントリーのお水)ティスティングの醍醐味、
チューリップグラスの中の琥珀の液体と向かい合う。
いやはや、何とも贅沢な時間。
ほんのちょっとずつの味見なので、それほど飲めない人でも大丈夫。
ストレートの香りと、水で薄めた味と香りは違う。
ティスティング(利き酒)は水でほんの少し薄めると、
不純物(香りの元となる成分)が立ち上ってきて分かりやすいのだそう。


ちなみに私の一番の好みはボウモアの、いぶされたような香りの、
スモーキーな、ちょっと癖のある味。
マッカランはいかにもウィスキーウィスキーしていて、ちょっと。
余りにも王様然として、面白みがないと言えば贅沢かな。
白州は爽やかで軽い分、ややボディが弱いような。
山崎はまあ、何となく慣れたいつもの味という感じ。


誤解しないで下さいね。
そんなしょっちゅうウィスキーなんて飲みません。
そんな優雅な生活も、晩酌生活もする余裕はないし、
明後日は胃カメラが控えているぐらいなので・・・、
これでも節制している(つもり?)なんです。
美味しいものには目がありませんが。
美味しいお酒、食べ物、お菓子、・・・。
我が家のエンゲル係数と家族の皮下脂肪はひとえに、
この「食い気」の結果に他ならない。

  

さて、少しばかり聞きかじった薀蓄をメモ代わりに残します。
(書いても書いても接続が切れてしまうおんぼろ環境のため、
 アップするのは何度目か、書いている途中にフリーズする画面、
 消える写真、こんなに遅れてアップするはずでは無かったのですが・・・。)



  


シングルモルトウィスキーの五大産地。アイリッシュ、スコッチ、
アメリカン、カナディアン、そしてジャパニーズ。
その日本のウィスキーを手がけた最初の土地、山崎。
サントリー、鳥居信治郎によって1923年蒸溜所として着工、
仕込んだ酒が「白札」として発売されたのが、1929年。

    

  


桂川・木津川・宇治川、三川に挟まれて水に恵まれた山崎、
名水の里=日本のウィスキーのふるさと。
ここで培われたノウハウを生かして生み出されたウィスキー、
山崎1984が「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」と、
「ディスティラー・オブ・ザ・イヤー」のダブル受賞。
もちろんこれは日本としては初受賞の快挙だったとか。


  

  


そのシングルモルトロールスロイスと呼ばれる、かの有名なマッカラン
スコットランドはスペイサイドの環境と、作り手のこだわりから生まれる。
シェリーオーク由来の独特の風味、赤い琥珀色の液体はその色同様、
メープルシロップのような蜂蜜のような香りを放ち、
口に含むとドライフルーツのような甘みのあるスパイシーなあとくち。
色を愛で、香りを楽しみ、口に含んで余韻を楽しむ。
サントリーでは従来のシェリーオークシリーズと、2004年以降から発売の
バーボン樽とブレンドしたやや薄い色合いのファインオークシリーズがある。

  

  


次に私の好きなボウモア。おいしんぼで薀蓄を語っていたっけ?
アイラ島の海風吹く荒涼とした土地で生まれる、泥炭ピートモスで香り付けされた酒。
手間暇掛かるフロアモルティングという製麦方法を用いて、
スモーキーフレーバーを持つウィスキーは、海抜ゼロメートルの貯蔵庫で熟成。
このウィスキーを生牡蠣に掛けて食べるというのが、アイラ島グルメらしい。
想像しただけでも生唾ごっくんの私。
牡蠣も好きだが、レモンにウィスキー、写真を見せられ・・・。

  


さて、次は木樽・ステンレス樽、2種の醗酵槽を持ち、
加熱は直火とスチーム、6系統12基の蒸溜釜。
材質も大きさも由来も異なる樽を用いて、
(白樫かミズナラか、シェリー由来かバーボンか等)
ここで60種類以上の原酒を造っているというから驚き。
山崎は熟柿や桃のような、或いはバニラのような甘い香りと、
ココナツやバターのようなこっくり待ったりした味わい、
しっかり味が口の中に残る感じの喉越し。

  

  


対照的なのが白州。ウィスキー作り50年を記念して新たに開かれた、
白州蒸溜所。南アルプス雄大な景色に抱かれた、標高700mの地で
名水100選の尾白川の恵みを受け、森の乳酸菌の住みついた木樽で仕込まれ、
直火型加熱で蒸留されたウィスキーは色白? な貴公子だ。
前の三つが渋い男性とすれば、白秋はやや若い殿方のイメージ。
何故なら明るい黄金色、青林檎野やジャスミンの香り、
甘く柔らかな少しスモーキーな、それでいてしゃきっとした、
そんな感じのお酒だから。

  


どれもこれも語られる背景に、酒の作り手としてのこだわり、愛情。
ウィスキーを手がける人は、自分が苦労した酒の仕上げが出来ない。
何故ならば10年以上も寝かせるわけで、最後の調整は同僚、後輩、
同じ職人としてその時代を生きる者に託す形を経て、世に送り出される。
ものづくりの遺伝子を受け継いだ先輩後輩が、襷(たすき)を繋いで、
世に知らしめる味というわけだ。
我が子のように育てたウィスキーは、人の手に委ねられて花咲く味となる。
ああ、ウィスキー、しみじみ。

  

  


さて、最後には水とソーダで割ったものとの違い、
最近流行のハイボールについてなど、雑学談義に花を咲かせつつ、
豪華なティスティング講座は終わった。
それにしても4つみんな味わったら、結構回るもの?
いい気持ちで中央電気倶楽部を後に。でも、胃袋は正直。
ティスティングだけではおなかは一杯にならない。

    

    


その後、ドーチカでパキスタン料理(つまりカレー)を食べ、
23時過ぎに帰宅。不良のかーちゃんを待っていた娘に、
2学期の懇談日の打ち合わせという(冷たい)現実に引き戻され、
また明け方まで仕事だわー。
遊んだ分、もう少し起きて仕事をしないといけない・・・。
ではでは・・・。