Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

2011 大山崎山荘 秋の中国茶会 その2

(写真は大きくなります)
本日は昨日の大山崎山荘美術館での中国茶会の続き。
何しろ5席用意されていた上に、それぞれ趣向も異なり、
長蛇の列で待ったこともあって、日長一日、
この地で過ごすことになってしまった。
昼食抜きで山荘を見上げる庭園へ降りていくと、
芝生広場で繰り広げられていた華やかな布を使った「台湾花布席」。
私たちも先着のプレゼントとしてこの模様のハンカチ頂いた。
様々な色があったようだが、私たちのは緑色。
この布を使った提灯も下げられていて、木からぶら下げられていた。


    
  


文山包種茶の炭火焙煎、武夷水仙、文山包種茶など、珍しいお茶ばかり。
中国茶に関しては全くの素人、
初心者どころではない私には勿体無いお味ばかり。



そして、中国茶はご存知のように一服目は香りだけ楽しみ捨ててしまう。
何とも勿体無い、贅沢な味わい方をする。
埃やゴミを流す役目もあるというのだが、やはり勿体無い。
その代わりに二服目、三服目と変化する味わいを楽しむのだが、
その味と香りの違いはわかるものの、・・・。


    
  


どうやらお茶を入れるスタッフの方も、年季の入った方と初心者の方と、
入れ替わり立ち代りお茶を供してくださっているらしい。
葉を見分けたり、お茶を椀(茶杯)に注いだりする一挙手一投足も、
それぞれ堂に入った方もいれば、教示を請いながら行う方も。
でも、いい経験の場だからこういうところで実践あるのみ。
「道」のつくお稽古事は現場に出るに限る。


    
    


茶杯によっても、同じように注がれた茶の色が変わって見える。
薄手の磁器で持つと熱そうなものから、デミタスカップで回っている人、
ご夫婦で上品な萩焼のものを揃えて置かれている方、
それぞれの茶杯を見比べながら、何服も味わうことの出来る贅沢さ。
お茶室の中に閉じこもらずとも、立ったままでも、天気の良い今日、
広々とした緑の中で味わうお茶は、楽しい。


    
  


一煎目を捨ててしまう時も、ただ捨てるのではなく、
そのお茶を様々形の穴が開いた茶盤から流してしまう。
茶盤そのものも趣向を凝らした様々なものがあり、
茶器・茶壷を暖めたり、香りを楽しんだりする以前に、
高い所から湯を注ぐ独特な雰囲気、それぞれの道具類、
目で鼻で口で楽しむ今日の中国茶の世界は、何とも華やか。


  
    


さて、芝生の中央には花が生けられ、その向こうの東屋には赤い提灯。
あ、ランタンと言うべきなのかな。
ここでは燻製したお化け柚子の中で発酵させた珍しいお茶、
どんどん皮ごと削ってお茶に。柚子の香りよりもスモーキィな感じ。



そういえば、中国紅茶ってこんな感じのものがあったなあ。
そして嬉しいことに、ざっくり、お菓子はお好みを取り放題♪


  
  


風水の縁起を担いでいるのか、日本のお茶席なら懐紙に当たる取り分け紙が、
何とも鮮やかな色合いで華やか。お菓子も干菓子に当たるもの、木の実、
様々なものが。ぽりぽり齧りながらお茶をすすり、東屋の日陰に腰掛け、
のんびり過ごす昼下がり。勝手知ったる人々は、昼食を用意してきていて、
芝生でお弁当タイムを繰り広げている。


    
    


こちらはお茶菓子で少々空腹を満たして、最後の砦、
大山崎山荘の展示を見るために本館へ戻った。
そのついでと言っては何だが、再び玉環席で「女児環」を頂く。
さて、「第26回国民文化祭・京都2011」に協賛して開催されている展示、
大山崎山荘のおもてなし」と題された世界を堪能することに。


    
    


庭も建物も、その佇まいそのものが心引かれる場所。大山崎山荘美術館
今日のゆるキャラ、まゆまろ君が亭主になってお茶席を設けている趣向。
そして、展示物に自分なりに用途を提案する試みも。
現在私が書いたものも展示されている様子。


    
  


年の初め、冬に展覧会で見た覚えのある
特徴的な形、鋭いフォルムのルーシー・リーの茶器、
しみじみほのぼの、和風の河井寛次郎の碗、
モネの絵画に、何故かジャコメッティが並んでいる。
不思議な世界、不思議な展示を味わった後の休憩は、
夏、お茶をすることが出来なかった喫茶室へリベンジに。
残念、特別展にちなんだデザートは売り切れ。



  
  

秋晴れの爽やかな一日を京は大山崎の地で、
中国茶に清められて過ごした昨日の思い出。

中国茶浪漫紀行

中国茶浪漫紀行

 
中国茶と茶館の旅 (とんぼの本)

中国茶と茶館の旅 (とんぼの本)